ギリシャ、金の成る木から一転して世界の債務庫に

by • May 10, 2010 • NY TipsComments (0)881

米国では、ギリシャがまるでMidas touchのごとく、金の成る木でした。

ハリウッドの世界で、という意味です。まずは、ご存知2006年公開の300 。ジェラルド・バトラーをスターダムに押し上げた作品でございます。斬新かつグラフィックな映像で6800万ドルの予算にもかかわらず、2億1061万ドルも大稼ぎしました。

そして、最近でもクラッシュ・オブ・タイタンズ が米国興行成績でぶっちぎりの1位を飾ったことは、記憶に新しいですね。米国内だけで、1億5780万ドルもの収益をもたらしました。1億2500万ドルの予算だったことを踏まえると、300ほど金の卵ではなかったですけどね。

当時、ほぼ無名に近かったジェリー(ジェラルド・バトラーの元カノの友人は、彼を乞う呼びます)などを要した300と違い、こちらはリーアム・ニーソンやらレイフ・ファインズなど、大御所俳優が脇を固めたので、かなりギャラがはったからでしょう。

↓ジェリーの雄姿は、世の女性を骨抜きにしましたっけ。

My Big Apple

そして、逆に今世界を揺るがすギリシャ発の欧州ソブリン問題。

財政緊縮法案が可決した6日、ギリシャで暴動が発生しその模様がCNBCで流れるとダウ平均は下げ幅を広げ、挙句の果てには誤発注問題で1000ドル近い暴落への引き金を引きました。生々しく歴史に刻まれることは、間違いないでしょう。世界の景気が回復へのコースをたどりつつあるなか、暴徒化するギリシャ人の映像は、目を覆いたくなるほど、ショッキングな映像でしたよ。

↓欧州市民よ、立ち上がれ!!って立ち上がらなきゃいかんのは、あなた達・・・。

My Big Apple

だってギリシャはドイツや国際通貨基金の援助を受けなければ、デフォルトの憂き目に遭うんですよ?世界に金融危機が伝播すれば、自らの年金の削減はもとより、今手にしている職ですら失いかねないというのに・・・。うちの会社のノン・ジャパニーズ傭兵軍団ですら、「Like GM, Greece is just waiting for OUR money so they can make the commercials」とボヤいています。

↓暴徒化する人々・・・危険視しつつゲンナリしちゃいます。

My Big Apple

こんな切迫した状況のなか、うちの東京の記者いわく「ディズニーがギリシャを買収すればいいんじゃない」なんて、気の利いたジョークが飛び交っていたようです。ディズニーはロケ地・セットの費用を抑えることができるので、お互いにWin-Winなディールになるとか。でも、3年間で1100億ユーロですよね。映画300の海外収益は4億5407万ドルだったことを踏まえると、少なくとも3年間で250作品を製作しなくちゃいけないんで、これはちょっと無謀です。

しかし、歴史は繰り返すんですね・・・。かつてカエサルは、隙あらば他国や対立者をけしかけ反ローマに立ち上がり、当時はポンペイウス側にまわったギリシャ人に対し、こんな痛烈な皮肉を浴びせました。

「諸君は死罪に値する諸行を繰り返してきたが、輝かしい業績を残した偉大な祖先に免じて許されることでも有名だ。」

あれから約2000年。ギリシャ人は再びユーロ圏各国から「許され」なければいけない局面に立たされていますが、当の本人達は全く理解していないようです。

そんななか、社債などの流動性が枯渇しつつあり、また米10年債利回りが急低下し年初来の最低を更新中。トリシェECB総裁は6日、定例理事会後の記者会見で「国債買い取りについて協議しなかった」と発言した一方で「金融政策はユーロ圏における中期的な物価安定を目指し、あらゆる必要な措置を取る」と付け加えました。


欧州金融機関のエコノミストによると、これは国債買い取りや長期補完的資金供給オペレーション(LTRO)の再開など、あらゆる選択肢を取る製作自由度を獲得したことになるそうです。



早速、先週の金曜日から、週末に欧州に滞在するコーンFRB副議長(6月末で退任予定)とダドリーNY連銀総裁(元GSのチーフエコノミスト)が、ECB高官とスワップ協定復活で協議に入るとの噂が流れました。コンテージョンの波を食い止められるのか、各国中央銀行の力量が再び、試されつつあります。


↓FRBとECB、リスク局面という不本意な状況で蜜月は続きます・・・。
My Big Apple

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