オバマ米大統領の支持率は、いつものギャラップ でみると、8月12日時点で支持が42%、不支持が50%となっておりました。チャートをみると、2009年1月21日の調査開始以来で最低を更新しております。
オバマ氏の求心力の低下が見て取れるかと思いますが、攻撃の矢面に立たされているのは彼だけではありません。ファーストレディとしてアフロアメリカン向け総合情報誌のEbonyだけでなく、Time誌やNewsweek誌など週刊誌のカバーを飾った、あのミシェル夫人に及んでいます。2009年の3月号では、ファッション誌の王道Vogue誌のカバーにまで登場するくらい、蝶よ花よの扱いだったのですが・・・。「The First Lady The World’s been Waiting For」=世界が待ち望んだファースト・レディなんて大絶賛されていたのも、今は昔。
↓Vogue誌のカバーにて、嫣然と微笑むミシェル夫人。
しかし、最近はオバマ支持率低下の火の粉をかぶって大変です。8月前半に出かけたスペイン旅行は、多くのメディアから非難 を受けました。実娘のサーシャの他に40人もの「お友達」を随行させ、ミリオネアの隠れ家として名高い5つ星ホテルHotel Villa Padiernaの客室に滞在したことで、批判を浴びたのです。それもそのはず、ホテルのひと晩の宿泊料金は500-2500ドルに及ぶのですよ。
↓Hotel Villa Padierna、この華麗さ・・超高級と言われる所以ですね。
移動手段はというと、もちろん大統領専用機エア・フォースワン。70人ものシークレット・サービスを従えてのご観光ですから、2機使用いたしました。1時間の費用が1万1351ドル、スペインまで6.5時間の飛行時間と考えますと7万3781.5ドル。往復ですから合計14万7563ドル也。
しかもスペイン、意外に知られておりませんが外国人排他色が色濃いお国柄なんですよ。日本人のお友達も、スペインでスペイン語で話しかけても、鼻にもかけてもらえなかったと嘆いておりましたっけ。米国務省も、webサイトで「racist prejudices could lead to the arrest of Afro-Americans who travel to Spain」と注意を呼び掛けておりました。当然、米国のファーストレディが訪問する直前に、しっかり削除されましたけど。
米国が膨大な財政赤字を垂れ流し、かつ労働市場が低迷を続けるなかにあって、世にも優雅な物見遊山ですから、NYデイリー・ニュース紙はオバマ夫人を「modern-day Marie Antoinette=現代のマリー・アントワネット」と喝破いたしました。他メディアも、「Material Girl=物欲の強い女性」とからかっておりましたっけ。
↓マドンナのマテリアル・ガールは愛らしかったですけど。
しかもオバマ夫婦の膝元であるシカゴ・サン・タイムズ紙によると、今夏のミシェル夫人は多忙を極めてます。スペイン旅行やLAへのNBAファイナル観戦ツアーを含め、フロリダ州湾岸の視察旅行、夫婦みずいらずで行くマーサズ・ビンヤード島へツアーなどなど、10カ所への旅行日程が組まれているんですって。
さらに間の悪いことに、オバマ夫人の動向が米国の財政と米国民の財布を直撃する問題にまで発展し始めております。オバマ夫人が2009年3月に立ち上げた児童対象の肥満撲滅キャンペーン、レッツ・ムーブを推進する費用として、フード・スタンプの費用が削減の憂き目に遭うリスク が浮上しているためです。
米上院ではレッツ・ムーブ向けの予算に80億ドルを割り当てる方針ですが、財政赤字の状況でペイ・アズ・ユー・ゴー、すなわち新たな予算は既存の予算を削減し赤字を拡大させないようにする措置が取られているのですよ。そこで目を付けられたのがフード・スタンプ(低所得者向けの食料補助対策)なんですね。
↓フード・スタンプ。クーポン形式と思っていただければ。
11日にオバマ米大統領が署名した州政府支援プログラムでは、すでにフード・スタンプ向け予算が13.6%削減されました。しかし、米上院が策定したレッツ・ムーブ向けの費用では、追加的なフード・スタンプ向け予算の削減措置が盛り込まれています。すでに教育・労働委員会を通過しました。
米下院の民主党の間では、こうした背景を重要視。106人もの米下院・民主党議員がペロシ下院議長に対し、書簡で米下院独自のレッツ・ムーブ予算を組むべきと主張しております。米下院の民主党の意向は、幹部に届くのでしょうか。
↓ペロシ米下院議長。シェフ勝ち抜きリアリティ・ショーのトップ・シェフ に出演してる場合じゃないです。
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