明暗が分かれた日本の双子の物語、NYでも話題に

by • November 25, 2010 • NY TipsComments (0)1602

数週間前のお話で恐縮ですが。独系ニュースメディアで勤務する友人と、ミュージシャンの友人からメールが届いたんです。タイトルをみると、2人とも「Twin Tale: Rising China, Japan’s setting sun (ある双子の物語、台頭する中国と夕暮れを迎える日本」。興味を引かれて読んでみると、30歳の双子の女性のお話でした。

トシコさんとフクコさんは一卵性双生児で、見た目は瓜二つ。しかし行き詰る日本の経済に対する認識が、2人の人生を真っ二つに分けたのです。

↓トシコさんとフクコさん、人生の舞台は日本と中国に分かれています。

My Big Apple

トシコさんは博士号を取得しながら、日本では専門外の職にしか就職できず、1日14時間労働を余儀なくされて張りのない人生を過ごしているんですね。安定的でもなく手堅い給与を支払われているわけでもないとはいえ、彼女は定職のない20-30代の女性からすると「ラッキー」と判断しているんですって。

反対にフクコさんは英国で留学した甲斐あって、近代美術と建築の博士号を武器に世界での社会進出の扉を開いたのです。結果、今は中国でバリバリ活躍しているのですって。フクコさんのような日本人が増えているのか、外務省のデータによると、中国に駐在する日本人の人口は10年前の4.6万人から12.7万人と3倍近くに膨らんでいるそうです。

記事ではまた、ゴールドマン・サックスのキャシー松井マネージング・ディレクターも登場。そして高齢化社会の問題を挙げ、2050年までに65歳以上の人口が40%を超える「人口津波」が押し寄せると警鐘を鳴らし、国が早急に対応する必要性を説いておられました。

日のいずる国、日本の衰退を双子の人生を通じて、描いているわけです。

しかし。

中国が現時点で「Rising」であり、日本が「Setting sun」なのは理解できるとして。日本人が安易に中国で成長できるかは、かなり疑問です。私の親友のだんな様は神戸生まれ神戸育ちの中国人ですが、ビジネス・コネクションを築くために肝臓を悪くするほど白酒(パイチュウ)を煽らなければならなかったり、袖の下など、ありとあらゆる努力を惜しまなかったと言います。今では1カ月に一度は必ず中国へ赴き成功を収めたとはいえ、それまでには多大な時間とお金の投資もあったことでしょう。英語ができてある程度能力があるからといって、中国で希望に適う人生を切り拓けるとは、到底思えないのですよ。

↓大気汚染には、観光客やビジネス出張者も頭を抱えてます。

My Big Apple

それに中国での高齢化問題でだって、ひとりっ子政策の影響でよほど深刻でしょう。それに足元の金融引き締め策がどのような副産物をもたらすか、分かったものではありません。中国が海外からのビジネス移民をどこまで受け入れるか、また資産の安全も保証してくれる分からないでしょう。

CNNの記事ながら、とっても残念な気持ちになりました。日本の実態を投影して日本化する米国に警告を与えたのかもしれませんが、中国を持ち出したのは安易過ぎた気がします。

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