オバマ米大統領は訪問先のブラジルの首都ブラジリアで19日、リビアに対する空爆を宣言しました。
Today I authorized the Armed Forces of the United States to begin a limited military action in Libya in support of an international effort to protect Libyan civilians. That action has now begun.
注目は「a limited actioｎ（限定的な軍事行動）」と明言したことでしょうか。21日には訪問先のチリでオバマさん、「in a matter of days, not weeks（数日間の問題であり、数週間にわたるものではない）」と説明しております。しかし私が記憶する限り、レーガン元大統領、ブッシュ元大統領、クリントン元大統領、ブッシュ前大統領など、歴代の大統領はオーバル・オフィスで神妙な面持ちで戦争開始を発表していた割に、オバマさんは南米歴訪の予定を変更せず。平時を装ったかのようですな。
↓オバマさん、歴訪はいいんですけどオレンジ過ぎ・・・。
作戦名は「Odyssey Dawn」。放浪の夜明け、冒険の夜明け、とでも訳せばいいんでしょうか。
もちろんこの意味不明な名称に、アメリカ国民は一斉に揶揄の嵐！保守系政治トークショーの司会者で知られるスティーブン・コルバートは「That’s a Carnival cruise ship！」とからかってましたね。反対にリベラル派の政治系トークショーの司会者も「an operation named after a Yes album」と辛口ジョークを飛ばしてましたっけ。エンターテイメント系のトークショー司会者デビッド・レターマンは、さすがスケベ親父（失礼！でもインターンとの関係がスキャンダルになったり、複数の婚歴があってこちらでもそういう評価なんです）なだけあって「Is that’s stripper name？」なんて大笑いしてましたっけ。
普通のアメリカ人でも、このネーミングには拍子抜けたようで。確かに「Operation Desert Storm（砂漠の嵐作）」と比較しても、脱力感はぬぐえず。一応ギリシア叙事詩「オデュッセイア」に由来しているのでは、との観測もありましたっけ。そうなると、トロイ戦争を終えたオデュッセウスが10年もの放浪の旅のお話になってしまいます。リビア空爆自体の作戦名が、オバマさんの言葉の反対に戦争の長期化を予想しているかのようですね。ちなみにアメリカ人の迷信好きには、
Operation = 9
Odyssey Dawn = 11
9-11
なんて縁起でもない指摘の声をあげてましたけど、無視です、無視！！
国防関連情報サイトのWired は、「Operation Odyssey Dawn」のネーミングのカラクリを説明しておりました。実はリビア空爆を担当するU.S. Africa Commandが米国防省のシステムに従って、名付けたんだとか。そのシステムが、妙にランダム。普通、アメリカでは言葉の頭文字をとって短縮させます。この慣例に従ってJFからJZ、NSからNZ、 そしてOAからOFの3つのグループから、2文字の頭文字を使った言葉を選択しなければならなかったというわけ。つまりJFからJZあら、Jから始まる言葉とFからZで始まる言葉を組み合わすことになります。例えば、Justice Fightとか、ですな。
↓ちなみにU.S. Afriｃa Commandの本部は、ドイツのシュツットガルトです。
前回のオペレーションがNSからNZだったことから、今回はOAからOFをチョイス。そしてOdyssey Dawnとなったわけです。MSNBCの政治トークショーでも取り扱われ、英語で「JF to JZ,, NS to NZ, OA to OF」なんて言ってましたけど、まるで「H to the izz- V to the izz-A♪」とラップしていたJay-zの名曲、「Izzo (H.O.V.A.) 」を連想させますね。
↓Izzoのビデオではのちに奥さまとなるビヨンセが何気に出演。これが初めてのビデオ共演でした。
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