NY市警がついに、実行に移しました。ハロウィーン直前、観測史上最大の積雪に見舞われた週末に発電機が取り払われたおりましたが、満を辞してリーマン・ショック発生日から2ヵ月目の15日未明、「Occupy Wall Street(OWS、ウォール・ストリートを占拠せよ!」が使用するテントなど設備を撤収したんです。
↓そして誰もいなくなった、ズコッティ・パーク。
↓撤去前のズコッティ・パーク。カラフルですねぇ~。
NY市の説明としては、「衛生管理上の安全性」を挙げています。こうした発表に呼応するかのように、CNBCのリポーターも「OWSのデモ参加者にインタビューしていた私はもちろん、カメラマンやクルーまで皆、インフルエンザにかかってしまいました」と、衛生面での悪化に同調しておりました。
8時間に及んだ撤収作業で、タイム誌オンライン版は少なくとも70人以上 の逮捕者が出たと伝えておりました。ブルームバーグ市長は声明で「憲法第1条は言論の事由を保護するものであり、公共の空間を占拠するためのテントや寝袋使用を保護しているわけではない」と冷静なコメント。さらには公園が公共の憩いの場であるとして、公園を占拠した不法性を訴えました。
以前にお伝えしたように、ズコッティ・パークは不動産ディベロッパーのブルックフィールド所有ですしね・・。
大衆紙であるはずのNY地元フリーペーパー紙メトロは奇しくも15日、撤去直前に行ったとみられる取材でこんな記事をまとめていました。
15日夜、小売店オーナーで構成された小さな集団がNY市庁で抗議活動を行ったそうです。ズコッティ・パーク周辺で事業を営むオーナーの一人、パニーニ・アンド・カンパニーのアンジェロ・ゾルタドス氏は2ヵ月も延々と続くデモ活動のおかげで、「売上が30%落ち込んだ」といいます。また店内のお手洗い場所を使うにも、力づくだったとか。従業員が顧客でないデモ参加者の利用を断ると、従業員をつかんで、「Watch your back(せいぜい気をつけるんだな)」と脅したんですって。オーナーである自分が、ドアマンのような役目を負う羽目になったと説明します。中国レストランホー・イップのマネージャーであるホン・ザオ氏も、「うちのビンを持っていって、排泄物を詰め込んで返してきた」と、恐るべき実体を語っていました。
↓被害を語るザオ氏。デモ活動の市民の権利でしょうが、身を守るのも権利です。
当然ながらOWS、権力に対して一度振り上げた拳は、NY市警の妨害にもへこたれません。ズコッティ・パークを追いやられた抗議活動家、公園を後にして北上し、NY市庁舎にほど近いセンター・ストリートに移動しました。なぜそこなのかといいますと、ニューヨーク地方裁判所が立っているから。法の正義に訴えるぞ、というファイティング・ポーズを取ったような格好です。
撤去後まもなく、OWSのゴリ押しでズコッティ・パークの占拠が違法か否か、15日に公聴会が開かれております。NY時間午後3時15分に結論が出るはずでしたが、NY時間午後4時半の段階で、速報は届いておらず。吉と出るのか、今日と出るのか・・・。
追記:NY高等司法裁判所、結局はズコッティ・パークでの抗議活動は許可を与えつつ、テントなどを持ち込んだ泊まり込みはNY市が採った禁止措置を認めております。憲法第1条の演説の自由を認めつつも、安全面や衛生面を重視したNY市の主張をとる、見事なバランスを取った結論 を与えたといえそうです。
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