オバマ米大統領といえば、2008年の就任式に歌姫ビヨンセが亡きエタ・ジョーンズ「At Last」を熱唱したように、大スターが続々詰め掛け、それはそれは豪華な式典となりました。俳優ジョージ・クルーニー、女優ハル・ベリーなどアカデミー賞の受賞者をはじめ、名司会者で人道家としても知られるオプラ・ウィンフリーなど大物セレブから、多くのエンドースメントを得たように、異例の人気を誇っていましたっけ。
↓オバマとジョージ、蜜月時代はこんなに仲睦まじかったのに。
しかし4年後、映画界からの支持は急低下。オプラもジョージも、オバマ米大統領の人気低下とともに距離を置き、同じく「グッド・ウィル・ハンティング」でアカデミー賞脚本賞に輝いたマット・デイモンにいたっては、舌鋒鋭く「ガッツをもった1期のみの大統領のほうが、長期的にはずっと良かった (a one-term president with some balls who actually got stuff done would have been, in the long run of the country, much better)」と批判しております。オバマが「大統領を2期務めた二流の大統領よりも、1期だけの実に優秀な大統領になりたい(I’d rather be a really good one-term president than a mediocre two-term president)」と発言していたことにかけたのでしょうか。
とはいえ、映画界のアウォードからは、オバマ再選のサインが送られてきました。
映画賞の最高峰アカデミー賞と外国特派員が選ぶゴールデン・グローブ賞が選出した受賞作品に見出される「法則」で、大統領の行方が判明するからなんです。CNNの看板ニュース番組アウトフロントのブログによると、過去50年間において、アカデミー賞の作品賞とゴールデングローブ賞の作品賞がバラバラだった場合、民主党の大統領が誕生していました。反対に、双方同じ作品を選んだときには、共和党の大統領が世に送り出されていたんです。ゴールデン・グローブ賞の作品賞は「ドラマ部門」と「コメディ・ミュージカル部門」と分かれておりますが、「ドラマ部門」との相関性が高いといいます。
今年はといいますと・・・アカデミー賞は「The Artist」、ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門は「the descendants」でしたね。「The Artist」はゴールデン・グローブ賞で作品賞に輝いたものの「コメディ・ミュージカル部門」でした。バラバラだったというわけで、法則でいくとオバマ再選が濃厚というわけです。
↓「The Artist」がドラマ部門に振り分けられなかったことも、オバマ再選の序曲だった?
例外はというと、50年のうち、たった2回しかないんですよ。しかも、そのうちの1回はフォード大統領の再選が失敗したとき。当時は「カッコーの巣の上で」がアカデミーとゴールデン・グローブで作品賞を獲得しておりました。ただしフォード再選失敗について、出所のOutfrontは、フォード大統領はもともと、選挙を通じて就任した大統領ではなかったと、バッサリ斬り捨てています。
もう一つの例外は1956年にさかのぼります。映画「エデンの東」がゴールデン・グローブをさらい、「マーティ」がアカデミーを奪取したとき。当時は民主党で現職だったトルーマン大統領が、共和党のアイゼンハワー候補に敗北を喫しました。トルーマン大統領といえば、ルーズベルト前大統領の死亡を受け選挙なしで大統領に昇格しておりました。
例外をおって見ると、信憑性の高いこの法則、恐れ入ります。スーパーチューズデーで混迷の共和党大統領戦の運命が決まっても、もはや茶番劇に過ぎなかったりして。
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