年次ホワイトハウス記者晩餐会。去年は晩餐会翌日、オサマ・ビン・ラディン容疑者の殺害という重大ニュースを発表したことは、記憶に新しいですね。今年はリアリティ・ショーのスターといえば聞こえが良い、実際は出自とお色気と整形技術だけでスターダムを築いたキム・カーダシアンと、飲酒運転やらドラッグ所持で有罪を受けたお騒がせ女優リンジー・ローハンが出席しただけに、共和党系フォックス・ニュースをみると去年よりもジョーク満載でしたよ。
↓オバマさん、タキシード姿でおどけた顔も披露です。
オバマ米大統領、まずはビン・ラディンの殺害をもじり「去年のこの時期、まさにこの週末に我々は世界で最も悪名高い人間に正義を下した（Last year at this time, this very weekend, we finally delivered justice to one of the world’s most notorious individuals）」とコメントしたかと思ったら・・・会場のヒルトン・ホテルに設置されたスクリーンには、去年オバマさんに出生証明書の提示を詰め寄り、自身も大統領選に出馬する意欲をちらつかせたドナルド・トランプその人の顔が浮かび上がったんです。これには会場も大ウケだったこと限りなし。
大統領選挙イヤーなだけに、晩餐会に出席していなかったミット・ロムニー候補も槍玉に挙げられることは回避できませんでした。まずオバマさん、
「誰もが汚い選挙戦になると予想してるよね。ありがたいことに、僕らは家族を攻撃しない協定を結んだ。あ、でも犬はアリだからね（Everybody is predicting a nasty election. And thankfully, we’ve all agreed that families are off-limits. Dogs, however, are apparently fair game)」ですって。1983年にロムニー一家が飼い犬を車の天井にくくりつけて旅行に出掛けた問題をもじったジョークですね。
↓ミシェル陣営はロムニー夫人（アン）に対し、働いたことがないと攻撃し専業主婦をコケにしたというニュースがありましたっけ。
一方でロムニー候補との共通点として
「僕らの妻は僕らより素晴らしくて、アメリカ国民も良くご存知だ。、（We both think of our wives as our better halves, and the American people agree to an insulting extent。それにハーバードで学位をもっているしね。僕は1つ、彼は2つ・・・なんて偉そうな奴なんだ（We both have degrees from Harvard. I have one, he has two. What a snob.）」
ちなみにハーバード学位ネタは、大統領候補だったリック・サントラム元米上院議員が、アメリカの若者に大学に進学するよう勧めたオバマ米大統領に対し「えらそうな奴だ」と批判した反撃にもなっています。晩餐会にいたサントラム元候補、どんな思いで受け止めたのでしょうか。
自分の周囲についても、ジョークの攻撃の手は容赦なく襲い掛かります！米州首脳会議で訪れたコロンビアで売春疑惑が発生したシークレット・サービスについては、「門限を設定しなきゃ」と切り捨て、同じくコロンビアでヒラリー・クリントン米国務長官が羽目を外してダンスをする姿まで激写された件については、「ヒラリーからはひっきりなしに酔っ払いテキストが届くんだよ」と一笑にふしてました。
↓たまには緊張から解き放たれたいですよね～。しかも舞台はコロンビアですし。
記者の功労を称えることも、忘れません。シリアでの反対政府運動を取材して死亡した英サンデー・タイムズ紙のマリー・コルビン記者をはじめニューヨーク・タイムズ紙のアンソニー・シャディド記者にも触れ「僕らの国は自由、民主主義、そして生活のあり方そのものを守ることの一助として、あなた方記者を頼りにしている（Never forget that our country depends on you to help protect our freedom, our democracy and our way of life）」と熱弁を振るいました。今年も様々なニュースが飛び出すことでしょう。現場で働く記者の皆さまには、ワタクシも心から敬意を表します！！
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