NYに住み始めたばかりの2005年冬頃。2000年に旅した頃より、はるかにスペイン語の文字が溢れていたことが印象的だったんです。さらにお友達になったプエルトルコ人からは、「アメリカはヒスパニックの逆襲に遭っている。西はメキシコ人、南はキューバ人、そして東はプエルトリコ人の玄関口となっていて、そのうちアメリカはヒスパニックが多数派になるんだ」なんて大風呂敷を広げられましたっけ。
ところが2010年に、地殻変動が発生しました。
↓アメリカの移民=ヒスパニックという公式が、崩壊しました。
リーマン・ショック後、特に雇用を確保する意味を含めメキシコ国境を中心に不法移民の流入を防ぐパトロールが強化された結果、ヒスパニック系を中心に移民の人口が激減しました。一方で、アメリカの景気鈍化に加えドル安もあって、ヒスパニックもアメリカへ危険を冒してまで不法滞在する意味が失われたこともあるのでしょう。
複合的な要因から2010年にアメリカへ移民した人種で最も多かったのは・・・アジア勢!!430万人にのぼったんです。ヒスパニックの370万人を超え、堂々のトップに立ちました。移民全体でのシェアをみると、アジア勢が36%を占め、ヒスパニックの31%を突き放しております。リーマン・ショック直前の2007年ではヒスパニックで断トツ首位で540万人、アジア勢が390万人だったことを踏まえると、その変わりように驚かされます。
↓ドル安でも景気鈍化でも、本国よりやっぱりアメリカが魅力的なのか。
アジア勢の台頭を紐解くカギとして、ベージュブックが挙げられます。雇用市場の報告部分を振り返ってみて下さい。常に「特殊技能職の人材不足」が挙げられてますよね。そうなんです。こんなことを申し上げると人種差別や固定概念と失笑を買いそうですが、高学歴で手に職を持ったアジア勢が多いことが理由に挙げられています。過去数年間でみても、アジアの移民の25歳から64歳のうち大卒者は60%を占め、非アジア系の2倍にのぼっているのですから。
博士号を取得するために米国に通う学生も10人中6人がアジア系という数字もございます。日系アメリカ人で著名な科学者として知られる加来道雄氏は、シンポジウムで「アメリカは移民を封じ込めるのではなく、才能豊かな外国人をどんどん受け入れるべき」と提言していたように、アメリカの知能は最近とみにアジア系に依存しつつあるようです。
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