O’Reilly VS Stewart, Rumble In Debate!!
米大統領選挙・第1回目は3日に大々的に行われ、ご存知のとおり共和党のロムニー候補が大差で勝利しました。8日発表のロイター/Ipsosによる世論調査ではロムニー候補の支持率47%と、オバマ米大統領の47%から再び2ポイントの僅差に迫っていますね。ただ調査担当のジュリア・クラーク氏が示唆していたように、討論会の勝利は「逆転するほど劇的はなかった」ということでしょうか。
副大統領候補の討論会を11日に控え、CNNではこんな討論会がお茶の間をにぎわせたのはご存知でしょうか。「Rumble in 2012」と題した討論会、赤コーナーは、共和党寄り放送局フォックスの看板番組で全米一の視聴者数を誇る「The O’Reilly Factor」の司会者ビル・オライリー。対して青コーナーは、コメディ・セントラルで「The Daily Show」のホストとして知られるメディア懐疑派・リベラル寄りのジョン・スチュワートです。
メディア界の左派右派の横綱の討論会とあって、ジョージ・ワシントン大学で90分にわたって開催された討論会1500人の分の席は、見事に完売。ストリーム放送は4.95ドルのところ、半分がチャリティにまわったといいます。こういうビジネス感覚が、アメリカらしいですね。
CNNの女性司会者E.D.ハリスもコメディ討論会というイベント色を理解していて、紹介の仕方が振るってました。身長が195cmと大男なオライリーには「ガルガンチュア人並み」、173cmとオライリーに比べると小柄なスチュワートには「ホビットみたいな」という形容詞をまぶしてましたよ。
いざ舌戦の火蓋が切って落とされると、さすが名司会の妙技が炸裂!!たとえばオバマ米大統領を批判するフォックス番長のオライリーに、スチュワートはブッシュ前大統領の負の遺産を引き継いだ点を強調し「地方政府が債務不履行に終わったり、ギリシャ問題に直面してまもないんだよ。解決するにはビッグバードを倒さなきゃ」とコメント。これは米大統領選・第1回討論会で連邦政府、地方政府の予算削減とともに、PBSの制作費カットを提言したロムニー候補への痛烈な皮肉でもあります。
オライリーの返しが、手馴れたものでした。「ブッシュはもういないんだ、アディオス、サヨナラ、アロハ~。もう飽き飽きしてるんだよ。彼はもう、過去の人!ブッシュの責任かもしれないけど、多分任期のうち2年で、3年半じゃない」ですって。共和党側からみると、オバマ米大統領の仕事はこう映るんです。
お得意のメディア攻撃で、スチュワートはオライリーに「ABCもNBCもCBSも、どこも政治的な活動機関じゃないと思うけどな、フォックスはニュースの塊でやり過ぎだよ」と切り込むと、オライリーは「そんなこといったってフォックスは年間、何十億ドルもかせいでるんだよ。何かしら正しいってことさ」と返す刀を討つフットワーク。スチュワートがまた、早かった。間髪いれず「そうだね、アメリカでポンコツ売って大金かせげないもんね」と皮肉でキレイにまとめあげてました。
間合いには、スチュワートがオライリーの膝の上に乗るおふざけも。オライリーもその辺はよく場を読んで「坊や、クリスマスに何が欲しいんだい?」と絶妙なトークで返してましたねぇ。
ここで紹介し切れないのが残念だった討論会、オライリーのシメが秀逸でございました。彼は「今夜みなさんがご覧になったショーは、アメリカがアメリカたるべき姿を現しています。活発で、クリエイティブで、かつ発言禁止事項なし。みなさんが何と言おうが、どこの国でも見れるというわけではないんです。それこそ、間違いなくね」。オライリー節が炸裂したように、おっしゃるとおりでございます。日本でも、右と左が真っ向から戦う、こんな楽しい政治討論会があってもいいですよね~。
余談ですが、ロゴ変更に合わせグランド・セントラルをジャックするUSAトゥデー紙の広告がステキ。米大統領選に合わせた広告、投票意欲をかき立てる効果と合わせて、バッチリ人の目を留めることでしょう。
米大統領を決める12州のスゥイング・ステートを、ひと目で確認。
改札を通過するたびに、民主党、共和党、それとも無党派?とたずねられているみたい。
Comments
やっぱり・・iPhone 5の欠陥で9月の携帯料金48万円也 Next Post:
ニューヨーカーの食生活にも、「日本化」の波