Argo, An Oscar Worthy Flick.
第85回アカデミー賞の作品賞、下馬評どおりアルゴ(Argo)」がさらっていきましたね~。ゴールデン・グローブ賞をはじめとした映画賞で主要部門を総ナメにした監督・主演のベン・アフレック、2010年の「ザ・タウン(The Town)」から2作目で映画界最高峰を極めました。ジェニファー・ロペスと交際していたベニファー時代に株価は急落したものの、見事なカムバックです。
ファースト・レディが作品賞を発表するという史上初の試み、「アルゴ」が栄誉に輝きました。
奥様のジェニファー・ガーナーの内助の功も、今回の功績につながったことでしょう。ジェニファーへの感謝と敬意は、監督した2作品で明らかです。彼女の出世作の大ヒットドラマ「エイリアス(Alias)」で上司役を務め、ベンとの結婚式では司宰を務めたヴィクター・ガーバーが連続で出演してるんですもの。特に「アルゴ」では、カナダ出身という事情もあって逃亡中の米大使館員6人をかくまったカナダ大使という重要な役どころを抑えてました。長女のヴァイオレットちゃんのゴッドファーザーでもあるだけに、ベン・ジェニファー夫妻との関係がいかに深いかが読みとれますね。
今作品は俳優ジョージ・クルーニーなどが2007年にプロジェクトを立ち上げ、当初は別の監督候補が存在したといいます。ただし監督候補は配給元のワーナー・ブラザーズとの確執から交代を余儀なくされ、2011年にベン・アフレックでの船出が決定したんだとか。ジョージ・クルーニーがベンの盟友マット・デイモンと近い間柄である点も、功を奏したんでしょうか。人とのつながりが成功にとっていかに重要かが伺えるエピソードです。
縁と運が重なり、ベン監督2作品目でゴールデン・グローブからオスカーまで獲得!
映画のあらすじはといますと。
イラン革命のまっただなか、1979年に実際に起こったイスラム過激派による駐イラン米大使館占拠事件。からくも脱出に成功した米大使館6人を退避先のカナダ大使館から本国へ送還するため、中央情報局(CIA)は一人の男の斬新なアイデア、SF映画の製作チームとして出国させるという大胆な作戦に打って出ることになった・・・。
いや、全編にわたって緊張感みなぎり、ハラハラさせられっぱなしでした。まず、映像が利いてます。IMDBによると、1979-1980年の時代にタイムスリップしたかのような臨場感をかもし出すため、通常のフィルムで撮影してからフレームを半分に切り取り、粒子が粗くなるよう200%焼き上げたんですって。おかげで、ザラザラした当時の画像が蘇り観る者を引き込むんですよ~。
映像だけでなく、物語に登場するシーンがまた時代を物語ります。「スターウォーズ(Star Wars)」が1977年、「サルの惑星」が1968年に公開されただけに、ポスターやフィギュアが出てくるんですよね。CIA工作員が米大使館員救出シナリオとしてSF映画という斬新なアイデアが思いついた伏線として、無言で説明してくれます。
インフレ悪化で荒廃した米社会を象徴するように、朽ち果てたハリウッド・サインが現れるのも、時代を感じさせました。
アリス・クーパーやヒュー・ヘフナーが寄付して再建を果たしたんですって。
映画のなかで、ブラフとしてロック・ハドソンのエピソードが出てきたのも、70年代風。かつてのセックス・シンボルは同性愛者であることを隠すため、女性との数々スキャンダルを捏造することでイメージを保ったんですよね。米大使館員6名を映画のロケ班として信憑性をもたせるため、偽の記者会見を開催するなどメディアの露出を増やす作戦が浮かび上がった背景が、そこにあります。
突っ込むべき点は、ここ。イスラム過激派が血眼で残りの米大使館員6名を捜索中のところ、カナダ大使館から空港へ移動してするという大作戦決行前、なぜかワインを飲んで帰国前祝いで盛り上がってたんです。事実なんでしょうが、翌日に命がけで移動しなければならないというのに、2日酔いの心配はなかったんでしょうか・・。
映画のタイトル「アルゴ」には、どういう意味が隠されているか気になるでしょ?語源は、ギリシャ神話にあります。義兄にテッサリア王位を奪われた父の遺恨を晴らすため、イアソンが王位奪還を目指し「黄金の毛皮をもった羊」を捕獲するという命を賭けた冒険に出ます。テッサリアからポントスを海を越えはるか彼方に横たわるコルキスまでの航海には、乗組員の一人アルゴノーティスにより設計された巨大船「アルゴ」が選ばれたんです。命がけの使命という意味が込められた「アルゴ」、米大使館救出作戦に実にふさわしいですね~。
政治的なんで批判もございますが、史実に基づく努力が絶え間なく垣間見れるんですよ。
カーター元大統領も、賛辞を送ってました。
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