Holiday Spending May Slow Down, Vice Index Shows Some Weird Signs.
米7-9月期国内総生産(GDP)速報値は、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長がいうところの「いら立たしいほど鈍い」成長が続くリスクを点灯させていました。
例年より6日少ないホリデー商戦も、不穏な空気が漂ってきています。
10月3日に全米小売業協会(NRF)が発表した11月29日にスタートする今年のホリデー商戦、売上高見通しは前年比3.9%増の6021億ドル(58兆円)でした。2012年の3.5%増だけでなく、過去10年の3.3%増を上回るという楽観的な見通しがはじき出されていたんです。
ついでに申し上げると、期間中の小売店の臨時雇用者は72万-78万人になるとか。レンジ下限からして、12年の72万500人に近い強気っぷりです。臨時雇用といえば、配送大手フェデックスは年末商戦のピーク時に備え12年の約2万人よりも多くの臨時スタッフを採用すると発表。メイシーズも8万3000人、トイザラスは4万5000人を計画しています。
ホリデー商戦につき楽観的な数字をはじき出したNRFですが、「ワシントンの政治家には少しばかり態度を改める必要がある」と注意書きしてました。残念ながら政府機関の閉鎖は16日に及び、年明けも予算協議が迫るとあって財布の紐が例年以上に緩まるか定かではありません。
モルガン・スタンレー(MS)のシニアエコノミスト、エレン・ゼントナー氏〔下の写真、左〕によるとホリデー商戦にひんやりした風が吹いてきそうな気配。NRFの予想と裏腹に、1.6%増としています。特に増税が重くのしかかり低所得者層への打撃が響くと見込んでいるんですね。
MSによると、2008年以来で最低となる見通し〔チャート上で緑の部分が今年分の予想〕。
同エコノミストが慎重な見通しを示すように、裏の支出動向にもかげりが出てきているんです。
サウスベイ・リサーチのアンドリュー・ゼイトリン氏が考案した、悪行指数(vice index)に兆しが現れています。何を表すかというと、カジノや娼婦サービスなどを中心とした罪深き価格に焦点をあてているんです。商売動向で価格が上下に振れやすい指数とも言えます。裏の資産効果を示すこの指数、ゼイトリン氏によると「今年に入って鈍化している」とか。1-3月期に入り「例えば娼婦サービスは高級部門でこそ前年比15%の上昇を示したが、比較的お手ごろな価格帯は違う」といいます。
PCEと比較した悪行指数。相関性の高さに驚かされますね。
奇しくも、悪行指数を掲げるゼイトリン氏とMSが中低所得者層の消費鈍化で意見を一致させているわけです。少なくとも、中低所得者層向けの小売業界の冬は厳しくなる予感。富裕層向けであるケリングやLVMHの7-9月期決算も売上鈍化トレンドをたどっていたので、高級小売も難を逃れるかは微妙ですが・・。
(カバー写真: Getty Images)
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