Brazil World Cup Logo, Propaganda Or Design?
ワールドカップのブラジル大会、公式ロゴは皆さんご存知の通りです。ブラジル国旗の緑と黄色をモチーフに差し伸べた手がサッカーボールを連想させるように重なり、中心には「2014年」が脈打つような躍動感に満ちた鮮やかな赤が印象的。すっかり、皆さまにもお馴染みとなったことでしょう。
さて、このロゴ。地元ブラジルではちょっとした物議を醸しております。
ブラジルの保守系雑誌Vejaのコラムニスト、ロドリゴ・コンスタンシオ氏の分析によるとこのロゴは「プロパガンダ」に相当するというのですから、穏やかではありません。
ポイントは2つ。
まずは、ロゴに隠された「アルファベット」。ロゴをよーくご覧になって下さい。分かりますか?クローズアップして見ると、ある文字が浮かび上がって来ますよね。
(出所 : hdwallpapermania)
そう、「L」の文字が中心に据えられています。W杯誘致活動に尽力した当時の大統領といえば、労働党のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ氏。ルラとの愛称で親しまれていた、あの方です。ルラはアルファベットで「Lula」ですから、彼の名前をもじったという見立てができるというワケ。
もうひとつは、「2014年」に使用された緋色に焦点が当たっています。ブラジル国旗カラーなだけに緑と黄色は理解できますが、なぜブルーを排除し国旗で採用されていない赤を取り入れたのか?コンスタンシオ氏は、労働党のシンボル・カラーの1つだからこそ採用されたと推察しています。労働党政権下でW杯開催が決定しただけに、コンスタンシオ氏のような右派なら妄想を抱いても仕方ないんでしょう。
さらにいえば、W杯後のブラジルでは10月に大統領選を控えます。奇しくもW杯開催後、6月19日に発表された最新の世論調査ではルーセフ大統領(労働党)が5月時点調査から1%ポイント支持率を上げて39%でした。2位のアエシオ・ネベス氏(社会民主党、PSDB)は逆に21%と、前月の22%から低下しています。ロゴが奏功したのか、現職がリードを一歩広げていたんですね。
ブラジル国内で、労働党およびルラ前大統領を思い起こさせる「サブリミナル効果」を発揮するには、W杯ほど整った舞台はありません。もしかしてもしかしたら、ロゴは労働党が政権確保を狙うために綿密に練ったプロパガンダ作戦だった!?
国内でサブリミナル効果が期待できる一方、国外では冷やかしの対象となっていることも事実。ギズモードが伝えるように、「L」文字を含んだ手のひらデザインが絶望したときに顔を覆うジェスチャーを彷彿とさせるから。
顔を覆う絶望のポーズ、確かに一致!
(出所 : Gizmodo)
今大会は前回の覇者スペインが予選落ち確定となったことを始め、イングランドやポルトガルが初戦で敗北したり、開催国ブラジルがメキシコに引き分けだったり、挙句の果てに日本が1人少ないギリシャに痛恨のドローだったり・・・。大波乱が巻き起こっていますが、全てはロゴに象徴されていたのかも・・なんて勘繰りたくなります。
(カバー写真 : FIFA)
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