When One Door Shuts, Another Opens : Case Of Under Armor.
ナイキとアンダーアーマーは、ダウ平均やS&P500が陰線引けするなか逆行高。特にアンダーアーマーは、4.1%高で取引を終えました。ナイキは0.9%高で引けています。
それぞれ、好材料が飛び出したからです。ナイキはNBA2013−14年シーズンでMVPに輝いたオクラホマ・シティ・サンダーのフォワード、ケビン・デュラント選手との再契約にこぎつけライバルのアンダーアーマーを振り切りました。ESPNによると、25歳のデュラント選手とは10年契約で3億ドル(315億円)で合意したとされ、別途に引退向け資金として5000万ドル(52億5000万円)が加わります。2007年に契約した当時の6000万ドル(63億円)から、6倍近くも引き上げました。アンダーアーマーの推定提示額2億6500万—2億8500万ドルも軽く超えています。
人々の心を揺さぶったMVP受賞スピーチで、ケビンには一段とプレミアムがついたのかもしれません。演説では地元紙からの批判「頼りにならない男(Mr. Unreliable)」に感謝したほか、母親こそ「真のMVPだ」と称えて当時は母の日に花を添えたんですよね。
ツイッターで控えめに喜びの丈をぶつけたケビンは、根っからのナイキ好きとも。
(出所:Twitter)
ナイキがバスケットボール関連のマーケット・シェアで96%と圧倒的優位に立つ一方で、アンダーアーマーはわずか1%以下。ケビンの獲得失敗で、アンダーアーマーは引き続きアンダードッグとしてナイキの後塵を拝すること必至です。
ところが、アンダーアーマーは別の秘密兵器を用意していました。誰あろう、ドル安に際しユーロ建てでの出演料支払いを求めた逸話で知られるジゼル・ブンチェン。夫がアンダーアーマーの広告塔であり、NFLのニュー・イングランド・ペイトリオッツでクォーターバックを務めるトム・ブレイディ選手なだけに、当然の成り行きですよね。
ジゼルといえば、10年以上もスーパーモデルとして君臨し他の追随を許しません。フォーブス誌の2014年版・モデル長者番付では年収4700万ドル(49億3500万円)と、ビクトリアズ・シークレットの後輩で2位に800万ドル(8億4000万円)で並んだドウツェン・クロース、アドリアナ・リマを桁違いで突き放していました。
モデル版長者番付は、6位まで以下の通り。
(出所 : Forbes)
契約内容は複数年であることが分かっている程度で、金額を含め詳細は不明。ユーチューブで公開したコマーシャル予告編でアンダーアーマーのスポーツウェアに身を包み颯爽と登場するジゼルは、2人の子供を産んだとは思えない神がかりボディが美しい。その凛とした表情からはランウェイで魅せる華やかさとは別に、己を徹底的に管理するストイックな精神力が伺えます。女性ファンを魅了すること間違いナシで、すでにお買い物ウェアとして定着しつつある女性スポーツ衣料界に新風を巻き起こすことでしょう。
NYでは、スポーツ衣料にハンドバッグ姿の女性をよく見かけるんですよ。
(出所:My Big Apple NY)
いわばアンダーアーマーはジゼル獲得により女性スポーツ衣料での競争力を強化し、ナイキはケビンとの再契約成立でバスケッとボール業界での独壇場を確固たるものとしたというワケです。ライバル同士、うまい具合に住み分けしてきました。
(カバー写真:Foot Basket)
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