August Retail Sales : Good Enough Before FOMC.
米8月小売売上高は前月比0.6%増となり、市場予想と一致しました。前月分も±0%から0.3%増へ上方修正されるなど、当初の数字より消費が力強かったことが分かっています。
内訳をみると、13カテゴリー中11項目が増加。前月の10項目を下回り、自動車を除いた場合でも0.3%増と市場予想に並びました。
(主なプラス項目)
・総合小売→2.5%増、4ヵ月連続で増加
・自動車→1.5%増、2ヵ月連続で増加
・建築材→1.4%増、前月から増加に反転
・スポーツ衣料品→0.9%増、3ヵ月連続で増加
・家具→0.7%増、3ヵ月ぶりに増加
・電気製品→0.7%増、2ヵ月連続で増加
・外食→0.6%増、4ヵ月連続で増加
・健康→0.6%増、増加トレンドを維持
・食品/飲料→0.3%増、5ヵ月連続で増加
・服飾→0.3%増、3ヵ月連続で増加
・オンラインを含む非店舗→0.1%増、4ヵ月連続で増加
(主なマイナス項目)
・その他小売→0.1%減、3ヵ月ぶりに減少(百貨店は0.7%減、過去4ヵ月で3回目の減少)
・ガソリン→0.8%減、前月は±0%
小売売上高をみると、明らかにガソリン価格の下落が勝因として挙げられます。新学期セール(Back to school)のほか、今夏はハリケーンの直撃が極端に少なく消費の追い風となったことでしょう。
今回にの好結果に加え米7月企業在庫を合わせ、バークレイズは米4−6月期国内総生産(GDP)見通しを4.6%で維持.米7−9月期GDPは2.6%と従来から0.1%ポイント引き上げました。
消費支出が当初の数字より強含んだとあれば、バロンズ誌の大胆な予想のように「長きにわたる(considerable period)」低金利という文言が取り除かれてもおかしくはない。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を目前に、興味深いニュースも伝わっています。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のFed番記者、ビクトリア・マクグレン氏とニコラシ・ダ・コスタ氏によると、イエレンFRB議長は新たにFOMC内で金融安定委員会を組織しました。フィッシャーFRB副議長をヘッドに、タルーロFRB理事、ブレイナード理事(前財務次官)で構成されます。
2008年以降、米財務省が金融安定監視委員会(FSOC)や金融調査局(OFR)を設置し、FRBはバーナンキ議長(当時)が2010年に金融安定政策局(Office of Financial Stability Policy and Research)を開設させました。今後、エコノミストや銀行監督担当がOFSPの下で集積した情報は、イエレンFRB議長をはじめFOMCメンバー、そしてフィッシャー副議長率いる金融安定委員会に報告されます。
FOMC内の金融安定委員会が担う役割こそ、バブル抑止をはじめポスト・クライシスでの潜在的な脅威を監視すること——つまり、利上げカウントダウンを見据えた創設であるのは明白ですよね。金融危機後のイスラエルを見事に切り盛りしたフィッシャーFRB副議長を委員会委員長に据えたのは、マーケットに安定剤を処方したに等しい。古代イスラエルのソロモン王の言葉「賢者の目は頭のなかにあり、愚者は暗闇を歩く」を思い出します。
新たに設置された金融安定委員会は、イングランド銀行(BOE)傘下にある金融監督委員会(FPC)をも連想させます。諮問委員会の存在とされFPCより金融政策そのものに直接影響を与えない見通しであるものの、存在感は議事録を通じ浮かび上がってくることでしょう。
(文中、カバー写真:AP)
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