Blame It On The Earlier Than Usual Holiday Discounts : December Retail Sales Slumps.
米12月小売売上高は前月比0.9%減となり、市場予想の0.1%減を大きく下回った。前月の0.4%増(0.7%増から下方修正)よりも弱く、ガソリン価格の下落という恩恵に支えられながら3ヵ月ぶりに減少。1月に次ぎ、2014年で2番目に大きな落ち込みをみせた。ホリデー商戦が開幕当初の11月はサンクスギビング・デー前の大幅値引きもあって好調だったものの、効果がはく落したとみられる。
内訳をみると、13カテゴリー中4項目のみ増加。前月の11項目を文句なしに下回った。自動車を除いた場合は1.0%減と市場予想の0.1%減より格段に弱い。前月の0.1%増(0.5%増から下方修正)を含め、こちらも3ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んだ。
(主なプラス項目)
・家具→0.8%増、前月の0.2%増を含め過去6ヵ月4回目の増加
・外食→0.8%増、前月の0.3%増を含め8ヵ月連続で増加
・健康→0.5%増、前月の0.4%増を含め増加基調を維持
・食品・飲料→0.3%増、前月の0.3%増を含め5ヵ月連続で増加
(主なマイナス項目)
・ガソリンスタンド→6.5%減、前月の3.0%減を含め5ヵ月連続で減少
・雑貨類→1.9%減、前月の0.8%減に続き過去6ヵ月で3回目の減少
・建築材→1.9%増、前月の1.6%増から反転し過去6ヵ月で2回目の減少
・電気製品→1.6%減、前月の0.1%増から反発し過去6ヵ月で2回目の減少
・一般小売→0.9%増、前月の0.3%増から反転し過去6ヵ月で3回目の増加(*百貨店は0.2%減、過去5ヵ月で4回目の減少)
・自動車→0.7%減、前月の1.6%増を含め3ヵ月ぶりに減少し過去6ヵ月間で2回目のマイナス
・服飾→0.3%減、前月の2.2%増から反転し過去6ヵ月で2回目の減少
・オンラインを含む非店舗→0.3%増、前月の0.7%増から反転し9月を除く増加トレンドから脱落
・スポーツ衣料→0.2%減、前月の0.4%増から反転し7ヵ月ぶりに減少
ユニオン・スクエア前のアウトレット店でも、閑散模様。
(出所:My Big Apple NY)
BNPパリバのローラ・ロスナー、ブリックリン・ドワイヤー両米エコノミストは、結果を受け「コア小売売上高(自動車、ガソリン、建築材を除く)が0.4%減と当方の予想0.7%増を大きく下回った」と失望を隠さず。米10−12月期の個人消費の同社予想値4.3%増は「楽観的過ぎた」とした上で、米10−12月期国内総生産(GDP)予想を従来の「2.9%増から2.7%増」へ引き下げた。
米11月企業在庫の結果と合わせ、JPモルガンは米10−12月期GDPの予想値を従来の3.3%増から3.0%増へ下方修正した。ゴールドマン・サックスも従来の3.1%増から2.8%増へ、バークレイズも従来の3.6%増から3.4%増へ引き下げている。
——以上、米12月小売売上高は惨憺たる結果に終わりました。米11月小売売上高が発表された当時に指摘させて頂いたように、ホリデー商戦キャンペーン前倒しが仇となったのでしょう。年明け早々からリストラのニュースがわんさか出てくるはずですね。女性服飾ブランドのウェット・シールは、3700人の人員削減と全米店舗のうち66%閉鎖を決定していました。メイシーズも2000人、コカコーラは世界全体で最大1800人、ゼネラル・ミルズも工場閉鎖に伴い500人のリストラを発表済み。米12月雇用統計で時間当たり賃金の低下を確認したこともあって、雇用情勢に暗雲が漂っきたと言っても過言ではないでしょう。
(カバー写真:Bloomberg)
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