Initial Jobless Claims Spike After Holiday Season Ends.
米新規失業保険申請件数(季節調整済み)は10日週に 31万6000件と、市場予想の29万5000件を上回りました。前週の29万7000件(29万4000件から修正)を超え、2014年9月6日週以来の大台乗せを示現しています。増加を背景に、4週移動平均は29万8000件と4週ぶりの高水準。米労働省は特殊要因に言及しておらず、米12月人員削減予定件数のレビューで指摘させて頂いたように新規失業保険を申請する際のテクニカル要因もあって、ホリデー商戦の臨時雇用がリストラされた可能性を点灯させています。米1月雇用統計のサンプル週にあたる来週も、30万件という心理的節目を維持するのでしょうか。足元の企業から続々と人員削減計画のニュースが寄せられており、不安が残ります。
米新規失業保険申請件数、30万件割れトレンドから脱するのか。
(出所:BLS)
その他、15日発表の米指標の詳細は以下の通り。
▽米12月生産者物価指数
米労働省が発表した12月生産者物価指数(PPI)は前月比0.3%低下し、前月の0.2%より低下幅を広げた 。2011年10月以来で最大のマイナス幅となる 。エネルギーが6.6%と足元の統計手法を導入した2009年11月以降で落ち込みをみせたほか、ガソリンは14.5%も急低下し全体の重しに。また、食品も0.4%と2ヵ月連続で低下している。ただし、市場予想の0.4%より下げ幅を縮小した。コアPPIは 前月比0.3%の上昇となり、市場予想の0.1%を上回った。前月の±0%を超え、足元で最も高い伸びを示す。特にサービスが押し上げた。PPIは前年比で1.1%上昇し、前月の1.4%から鈍化。コアPPIは2.1%と前月の1.8%だけでなく市場予想の1.9%も上回った。
バークレイズのブレリナ・ウルシ米エコノミストは、結果を受け「コアPPIを踏まえると、エネルギー価格の下落が消費者物価指数に浸透するリスクは今のところ低い」との認識を明らかにした。
▽米1月NY連銀製造業景況指数
米1月NY連銀製造業景況指数は9.95となり、前月のマイナス1.23から分岐点のゼロを回復した。市場予想の5.0も上回っている 。内訳をみると、新規受注が6.09と前月0.39から上昇したほか、雇用も13.68と前月の8.33を上回った。 仕入れ価格指数も12.63と、前月の10.42を超えている。6ヵ月先の見通し指数は48.35と、前月の39.31から上昇した。JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「ISM製造業景況指数換算で51.7 と、前月の48.5から分岐点を回復した」とまとめた。
▽米1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
米1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は6.3と、市場予想の18.7を下回った。前月の24.3から低下し、大寒波の打撃を受けて2014年2月以来の水準。2014年11月に約21年ぶり高水準の40.3を達成してから、2ヵ月連続で急降下した。内訳をみると出荷がマイナス6.9、雇用もマイナス2.0とそれぞれ足元初めて分岐点割れを示現。新規受注が8.5と前月の13.6から急低下している。仕入れ価格も前月から約6ポイント下げ、9.8だった。6ヵ月先の見通し指数は50.9と、足元最低に落ち込んだ前月の50.4を小幅に上回った。
BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受け「ISM製造業景況指数換算で48.8と2013年5月以来初めて50を割り込んだ」と指摘。NY連銀製造業景況指数の好転に「水を差した」とのコメントを寄せた。
(カバー写真:Daniel Acker/Bloomberg)
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