Alibaba announced initial public offering plan

7日の決算ラウンドアップ:アリババ、プライスライン

by • May 7, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2565

Earnings Roundup : Alibaba, Priceline.

7日に発表された決算を振り返ります。アリババはモバイル部門での成長と売上増加を好感し、大幅高。プライスラインはドル高の余波もあって、売りで反応しています。

▽アリババ

中国の電子商取引最大手が寄り前に発表した1−3月期(第4四半期)決算は、純利益が前年同期比49%減の56億6100万元(4億6300万ドル)だった。2014年10−12月に続き、株式報酬が減益をもたらしたという。株式報酬など一部項目を除く1株当たり利益は7%増の2.80元(0.48ドル)となり、市場予想の0.42ドルより強い。売上高は45%増の120億3100万元(28億1100万ドル)。春節を追い風に、市場予想の27億7000万ドルを上回った。現金保有高は197億4000万ドルで、2014年10−12月期末の210億7000万ドル以下となる。

ネット総取引額は40%増の6000億元(970億ドル)。小口業者が集まる“タオバオ・マーケットプレイス”は29%増の3810億元(610億ドル)、大手ブランド商品を扱う“Tモール”は62%増の2190億元(350億ドル)だった。

携帯端末ベースの総取引額は、157%増の3040億元(490億ドル)。全体の51%を占め、2014年10−12月期の42%および前年同期の27%から拡大した。広告スペースが狭く利益率が低いとされる携帯端末の利用者の伸びが増加するものの、広告規模の拡大で収入を押し上げたとみられる。携帯端末ベースの売上高は352%増の52億4700万ドル(8億4600万ドル)に及んだ。携帯端末でのサービス収益は携帯端末での決済額の1.73%となり、2014年10−12月期の1.96%、同年7−9月期の1.87%から低下した。パソコンでのサービス収益は決済額の2.3%、全体のサービス収益も決済額のうち2.17%となり前年同期の2.18%をわずかに下回った。

アクティブ・バイヤー数は前年比37%増の3億5000万人となり、2014年末時点の3億3400万人から増加。携帯端末用サイトの月間アクティブ・ユーザー数は77%増の2億8900万人で、こちらも2014年末の2億6500万人から増加した。

決算に合わせ、最高経営責任者(CEO)の交代を発表。ジョナサン・リュー氏が5月10日付けで退任し、新たにダニエル・チャン最高執行責任者(COO)が昇格する。創業者のジャック・マー会長は、従業員向けの書簡でチャン新CEOに対し「海外事業の展開で指導力を発揮した実績がある」との言葉を送った。同時に、経営陣の刷新も表明。マー会長は「1970年以降に生まれた、アリババ陣営における若手リーダー育成」を挙げた。

チャン新CEO(右)、早速CNBCのインタビューに登場。
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(出所:Reuters)

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、マーク・マハニー氏は、結果を受け「2014年10−12月期で浮かび上がった携帯端末部門での不安を払拭させた」と評価した。携帯端末の決済額でみたサービス収益の比率も「長期的に携帯端末はパソコンと並ぶ水準へシフトしていく」と予想。携帯端末への移行がサービス収益率の低下につながったとしても、「顧客の消費拡大」に支えられる見通しだという。中国以外での商機をめぐっては、「限定的」と慎重な見方を付け加えた。

なお中国の国家工商行政管理総局(SAIC)は、引き続きアリババ傘下のショッピングサイトで偽造品を販売している問題点を挙げ、監視怠慢を批判している。ジョセフ・サイ副会長は2014年10−12月期の決算発表を行った1月末に、カンファレンス・コールにて「不公平」と応酬しアリババは対応策として10億元(1億6000万ドル)以上も投じていると説明した。

アリババ株は5日までに5日続落し、一時は上場来安値となる77.77ドルまで下落。決算後は前日比で一時11%超も急伸し、2月後半以来の89ドル台を回復した。

▽プライスライン

オンライン旅行予約サイトが発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比0.6%増の3億3330万ドルだった。1株当たり利益は6.34ドル。特殊項目を除く1株当たり利益は8.12ドルで、市場予想の7.72ドルより強い。収入は12.5%増の18億4100万ドルとなり、市場予想と一致した。総予約額は12%増の137億7500万ドルとなり、前年同期の34%増から大きく減速。海外予約額は13.7%増の121億400万ドルと好調で、為替変動を除く場合は29%増に及んだという。米国内の予約額は2.1%増の16億7200万ドルと、小幅にとどまった。

4−6月期の1株当たり利益は10.95〜11.75ドルを見込み、市場予想の13.10ドルに届かず。為替差損が主因で、対ユーロで1.12ドル、対ポンドで1.51ドル相当に及ぶと説明している。収入は0〜7%増とし、こちらもアナリスト予想平均の9%以下にとどまった。見通しを嫌気し、株価は一時3.4%落ち込んだ。

(カバー写真:EPA)

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