Goldman Sachs Wants To Lend You A Loan, Under Armor Follows Google’s Steps.
米連邦公開市場委員会(FOMC)の前に、おもしろいニュースが伝わってきました。
投資銀行として名を馳せ合併・買収(M&A)の助言業務では5年連続ナンバーワン、アリババの新規株式公開(IPO)も手掛けたゴールドマン・サックスが、創業146年始まって以来の大博打に打って出ます。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によると、消費者向けに融資を開始するというではありませんか!オンラインあるいはアプリを通じた仕組みを取り、低金利で数千ドル(数十万円)単位での借入を可能にするといいます。支店を構えずコストを抑えることで、新たなビジネス展開を実現する見通し。まだ初期段階と伝えられていますが、8400億ドル規模の消費者ローン事業にどこまで食い込めるか楽しみですね。
4月には、中国の投資会社IDGとビットコイン決済関連会社サークル・インターネット・フィナンシャルに5000万ドル投資したとも伝えられていました。GSは、新たな収入源として消費者に焦点を当てていることは間違いありません。
ハドソン川にほど近い本社で、新たな消費者向け融資システムを開発中?
(出所:Poets and Quants)
アンダー・アーマーは、ナイキの牙城を崩すべく秘策を講じました。
議決権なしのクラスC株を発行すると発表したのです。クラスA株の株主(1株当たりの議決権1)に対し、新しくクラスC株を割り当てるという、実質的な1対2の株式分割。どこかで聞いた話ですよね?
そう、2014年にグーグルがたどった道筋を歩んでいるというわけです。社員向けのボーナスとしてストック・オプションを支給する際、議決権なしの株式を用いることができますよね。創業者であるケビン・プランク最高経営責任者(CEO)の持ち株比率が低下しても、議決権15%以上を維持できる見通しなんですよ。いわば、プランク体制を強固とするための布石だったんです。
なぜ15%厳守に走ったのか?答えは、アンダー・アーマーの規約にあります。プランクCEOの持ち株比率が15%以下を割り込めば、クラスA株・クラスB株(1株当たりの議決権10)の二重構造を終了させるという条項が存在していました。現在のところプランクCEOの持ち株比率は16.2%だったので、風前の灯火だったんですよね。
株主への書簡で、プランクCEOは「多重構造は非常に良く機能してきた」と説きます。2005年にIPOを果たしてから、株価は約2400%も急伸してきました。クラスC株の登場で、小口投資家にとっても取得しやすくなり悪い話ではないように見えます。アンダー・アーマーを世界的ブランドへ押し上げるにはプランクCEOの絶大なる指導力が必要と考えられることもあり、株価は2%高で引けていました。
ただし、グーグルの歴史をひも解くとクラスC株発行後に株価低迷を迎えていたのです。
2014年4月にクラスC株を発行後、株価は足元のラリーに乗り切れず。
(出所:Stockcharts)
議決権なしのクラスC株がクラスA株の株価を押し下げる可能性は、否定できません。
(カバー写真:Brendan Mcdermid/Reuters)
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