Jobless Claims Remain Steady Before June Jobs Report.
米新規失業保険申請件数は、6月20日週に27.1万件と市場予想の27.3万件を下回った。2000年4月以来の数値に近づいた前週の26.8万件(26.7万件から修正)からは、小幅に増加している。米労働省は今回、特殊要因を挙げていない。4週平均も27万3750件となり、前週の27万7000件から減少。5週連続で、2000年4月以来の低水準を記録した5月16日週の26万6500件(修正値)を上回る水準を保つ。なお米5月チャレンジャー人員削減予定数は、低水準にある米新規失業保険申請件数に合わせ改善していた。
米新規失業保険申請件数、4週平均は15年ぶり低水準から緩やかに増加。
6月13日週までの継続受給者数は、224.7万人。前週の227.5万人を下回り、2000年11月以来の低水準を迎えた前週の220.4万人(修正値)を意識した。被保険者に占める失業者の割合は3週連続で1.7%となり、1971年以来の最低に並ぶ1.6%から上昇したままだ。州別での新規失業保険申請動向をみると、増加が目立つ州はペンシルベニア州で6007人増、フロリダ州で1063人増と東海岸で人口の大きな州が入った。その他ウィスコンシン州で709人増、ネバダ州で537人増、デルウェア州で396人増と続く。減少した州は前週に増加が目立ったカリフォルニア州で2592人減となり、次いでテネシー州で1899人減、ジョージア州で1893人減、テキサス州は1575人減、ニューヨーク州も1458人減だった。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受けて「継続受給者数が雇用統計サンプル週に2万1000件増加しているため、米6月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は5月と比べ緩やかな増加を見込む」とのコメントを寄せた。もっとも、米新規失業保険申請件数は低水準を維持しており「米6月雇用統計・NFPは25.0万人増」と予想。下半期は22.5万人増へ減速するシナリオを描く。
——米新規失業保険申請件数は引き続き約15年ぶり低水準とあって、米6月雇用統計・NFPは20万人超えの巡航速度を保つ見通しです。半面、バークレイズをはじめゴールドマン・サックスによると、雇用の伸びは下半期に鈍化する見通し。6月米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、イエレンFRB議長は経済成長が持続する「決定的な証拠(decisive evidence)」を待ちたいと発言していたことを踏まえると、利上げ時期を後ろ倒しにすれば少なくとも労働指標は伸び悩むリスクを残します。
(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)
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