June CPI Rises With Eggs And Shelter.
米6月消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇し、市場予想と一致した。2013年2月以来の伸びを示した前月の0.4%に続き、5ヵ月連続で上向いている。原油反発を背景にエネルギーが1.7%上昇し、ガソリン価格も3.4%と2ヵ月連続でプラス圏を保った。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は1月26日時点で2.173ドルと2009年4月以来の水準まで下落した後、6月は一時2.835ドルへ上昇。2014年11月の水準まで切り返していた。一方で食品・飲料は前月まで2ヵ月連続での横ばいを経て、0.3%上昇。鳥インフルエンザの影響で、卵が18.3%と1973年以来で最高を記録したという。
CPIコアは前月比0.2%の上昇し、市場予想と一致した。前月の0.1%を超え、2013年1月以来の高水準を示した4月の0.3%を伺う。シェアの大きい帰属家賃は前月まで2ヵ月連続で0.3%を経て、0.4%へ上昇した。家賃も0.4%と、10ヵ月連続で上昇。住宅も0.2%上昇し、前月の±0%から上向いている。サービスは0.3%上昇し、前月の0.2%から加速。航空運賃も2.0%となり、2ヵ月連続で上昇した。娯楽も0.2%上昇し、前月の0.1%を超え4ヵ月連続で上昇している。教育は0.2%上昇し、前月の低下を打ち消し。一方で医療費は0.2%低下し、前月の直近で久々にマイナスに反転。服飾も0.1%低下し、3ヵ月連続で下押しした。新車は0.1%の上昇と小幅に上向いたものの、中古車は0.4%の低下と2ヵ月連続で落ち込んだ。
CPIの前年比では0.1%上昇し、前月の±0%から改善した。2009年4月以来で最大の落ち込みを記録した4月の0.2%の低下から、2ヵ月連続でプラス圏を維持している。CPIコアの前年比は1.8%の上昇。前月の1.7%を超え、2014年10月以来の高水準した3−4月の水準に並んだ。
コアCPI(赤)に、あらためて改善の兆し。
(出所:BLS)
BNPパリバのローラ・ロスナー米エコノミストは、CPIの結果を受け「コアPCEは四捨五入前で0.18%と前月の0.15%を超え、3ヵ月平均では0.193%と年初来の下振れから顕著に改善した」と振り返る。その上で「インフレが徐々に上向きつつあるとの当方の見方と整合的で、Fedにインフレ見通しへの自信を与えるだろう」と結んだ。
——米6月生産者物価指数と合わせ、米6月CPIもインフレの着実な改善を示しました。低調だった米6月輸入物価指数とは裏腹に、卵や住宅関連が上昇をけん引。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言などで、引き続き年内利上げを掲げるはずです。
(カバー写真:Brady Wahl/Flickr)
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