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米7月ISM製造業景況指数、米6月建設支出は予想以下

by • August 3, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1881

July ISM Manufacturing Index And Construction Spending Less Than Expected.

米7月ISM製造業景況指数は52.7となり、市場予想の53.7を下回った。前月の53.2にも届かず、3ヵ月ぶり低水準。内訳は以下の通りで、新規受注や生産が上向いたものの、雇用や在庫などが鈍化した。

・新規受注 56.5、7ヵ月ぶり高水準>前月は56.0
・生産 56.0、3ヵ月ぶり高水準>前月は54.0、3ヵ月ぶり高水準
・入荷時間 48.9、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月は48.8

・雇用 52.7<前月は55.5、年初来で最高
・在庫 49.5、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は53.0
・新規輸出受注 48.0、3ヵ月ぶりに分岐点割れ<前月は49.5
・仕入れ価格 44.0、9ヵ月連続で分岐点割れ<前月は49.5

BNPパリバの米エコノミストは、今回の結果につき「18業種のうち、前月と同じく11業種が拡大を報告した」とコメント。ただし大寒波の影響を受けた3月の10業種、2月の12業種からは上回っており、「エネルギー以外の分野が製造業の回復をけん引していく」と予想した。

▽米7月マークイット製造業PMI・確報値は予想と一致、6月から改善

米7月マークイット製造業PMI・確報値は53.8となり、市場予想および速報値と一致した。2013年10月以来の水準へ落ち込んだ6月の53.6を超えつつ、5月の54.0には至っていない。内訳をみると、ISM製造業景況指数と肩を並べ新規受注と出荷が上向いた。その他、新規輸出受注も5ヵ月ぶり高水準。雇用は前月に55.5で2014年11月以来の高水準だったものの、今回は鈍化した。

小幅回復にとどまり、勢いに乏しい。
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(出所:Markit)

マークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは結果を受け「今回、小幅に回復したものの過去1年半で最も鈍い拡大ペースにとどまり、企業はまたしても対エマージング国やアジアを中心にドル高による輸出競争力低下を挙げた」と報告した。原油をはじめとする商品価格の下落は、希望をもたらすとも指摘。雇用やサービス部門で改善が顕著であり、製造業パフォーマンスの弱含みを背景にFedが年内利上げを見送る可能性は低いものの「エマージング国のPMIが過去2年間で最大の落ち込みを見せており、世界経済の動向次第で利上げを先送りするケースもありうる」と付け加えた。

▽米6月建設支出は予想以下も、5月分が大幅に上方修正

米6月建設支出は前月比0.1%増の1兆650億ドルとなり、市場予想の0.6%増を下回った。前月の1.8%増(0.8%増から上方修正)を含め、7ヵ月連続で増加。住宅が0.4%増だったものの、非住宅は±0%と増加トレンドを4ヵ月で止めている。前年比では12.0%増となり、5月の8.2%増から加速した。

民間は0.5%減と減少に転じ、2014年6月以来で最大の下げ幅を記録。住宅が0.4%増と3ヵ月連続でプラスをたどり、金額ベースでは2008年5月以来で最高に達している。非住宅は1.3%減と、7ヵ月ぶりにマイナスに転じ2013年1月以来で最大の落ち込みを示した。特に商業施設、通信、宗教、教育、通信などが足を引っ張っている。公共は1.6%増と、4ヵ月連続で増加。住宅が3.8%減と増加トレンドにブレーキを掛けた一方、非住宅が1.6%増と4ヵ月連続でプラスを示し2010年11月以来で最大に達した。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、今回の結果より過去分の上方修正に注目。4月分が2.1%増から3.8%増、5月分も0.8%増から1.8%増へ伸びを拡大させたため「米4−6月期国内総生産(GDP)改定値の予想を速報値と等しかった従来の2.3%増から2.7%増」ヘ引き上げた。

——米7月ISM製造業景況指数は鈍化し米7月マークイット製造業PMIも伸び悩み、製造業はイマイチでした。米4−6月GDP速報値が示すように、成長は個人消費次第という色合いが強まっています。米6月建設支出はヘッドラインこそ失望を誘う内容だったものの、過去分の上方修正が利いて堅調。住宅投資がどこまで支えられるのか。こちらも、家計頼みの状況が続きます。

(カバー写真:PROMiroslav Petrasko/Flickr)

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