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ノードストロームとJCペニー、競合を尻目に好決算

by • August 14, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3027

Nordstrom And J.C. Penny Show Resilience In Q2 Earnings.

小売大手のノードストロームとJCペニーの決算を振り返ります。

▽ノードストローム、市場予想超えで見通しも引き上げ

高級百貨店大手が前日引け後に発表した5−7月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比15.3%増の2億1100万ドルだった。クレジット・カード部門をトロント・ドミニオン・バンクに売却したため、押し上げられている。希薄後の1株当たり利益は0.95ドルとなり、市場予想の0.90ドルより強い。 売上高は9.6%増の37億100万ドルで、市場予想の36億7000万ドルを上回った。特にアウトレット部門の「ラック」が力強い伸びを示したほか、オンラインも寄与。既存店売上高は4.9%増と、市場予想の3.8%増を超えた。

店舗別の売上動向は、以下の通り。

>ノードストローム 0.1%増の20億9700万ドル
>ノードストローム(オンライン) 20.4%増の6億2500万ドル
>ノードストローム・ラック(アウトレット) 12.9%増の8億5700万ドル
>オートルック(会員向け格安オンライン) 50%増の1億1700万ドル
>その他(トランク・クラブ、カナダのノードストロームを含む) 約10倍増の7900万ドル

2015年度(2016年1月末終了)の1株当たり利益見通しは3.85−3.95ドルとし、従来の3.65−3.80ドルから上方修正。売上高も8.5—9.5%増とし従来の7−9%増から、既存店売上高も3.5−4.5%増を掲げ従来の2−4%増からそれぞれ引き上げた。

ノードストローム、足元の下落トレンドから脱却し大幅高。
jwn
(出所:Stockcharts)

▽JCペニー、売上改善とコスト削減で市場予想上回る

中低所得者層向け百貨店大手が発表した5−7月(第2四半期)決算では、純損失が前年同期比19.8%減の1億3800万ドルだった。特殊項目を除く1株当たり損失は0.41ドルとなり、市場予想の0.48ドルより小さい。売上高は2.7%増の28億7500万ドルで、市場予想の28億6000万ドルを上回った。既存店売上高は4.1%増。「セフォラ」の開店のほかメンズ、家庭用品、宝飾が押し上げたという。販売・一般管理費が6.5%減の9億100万ドルとなり、コスト削減が赤字縮小につながった。粗利益は5.7%増の10億650万ドル。営業赤字も45.7%減の3800万ドルだった。

2015年度(2016年1月末終了)の既存店売上高は、4−5%増で維持した。粗利益率も1〜1.5%上昇で据え置き。フリーキャッシュフローも、ブレークイーブンの予想で変わらず。ただし金利・税・償却前利益(EBITDA)は6億2000万ドルとし、従来の6億ドルから上方修正した。8月にホーム・デポの取締役から最高経営責任者(CEO)に就任したマービン・エリソン氏は、決算資料にて「大きな課題を残すものの、回復力に満足しており長期的な目標への自信を深める」と評価した。

——以上、足元の小売動向を踏まえると予想外の好結果でした。おかげで、NY時間午後1時20分時点で株価はそろって上昇。特にメンズの好調ぶりはノードストロームのトランク・クラブ買収、およびNYでの男性向けファッション・ウィーク開催という追い風もあって今後の期待値も高い。アメリカ人の消費見通しに、明るいニュースを運びました。

(カバー写真:Rose Trinh/Flickr)

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