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米8月ミシガン大消費者信頼感、人民元切り下げ後に若干低下

by • August 14, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1610

University Michigan Consumer Sentiment Drops Slightly After Yuan Devaluation In August.

米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は92.9となり、市場予想の93.5を上回った。7月確報値の93.1からも活気が薄れ、秋風が吹きつつあるNYの気温に比例し直近で最低に。現況指数が107.1と、前月の107.2を小幅に下回った。見通し指数も83.8と前月の84.1に届かず、2014年11月以来の水準に下振れしている。原油先物が約6年半ぶりの水準へ沈むなか、インフレ見通しは1年先が2.8%で前月と変わらず。5−10年先は2.7%と、前月の2.8%から鈍化した。

ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は結果を受け「前月とほぼ変わらず、9ヵ月平均は2004年以来の高水準に達した」と振り返る。経済見通し、購入見通しの小幅鈍化を家計動向へのセンチメントが打ち消したという。経済見通しは「金利上昇見通し、商品価格の下落、人民元切り下げ、まだ実現していない世界経済の弱含みリスク」が影響を与えたと説明。ただし「消費支出は、雇用と所得の増加を背景に2015—16年に年率で3%に届く見通し」で、世界景気への不安を払拭すると楽観的に結んだ。

バークレイズのロブ・マーティン米エコノミストは、内容に対し「海外動向および金融市場のボラティリティといったネガティブな影響を見受けられず、消費支出が数四半期にわたって経済を支援する可能性を示した」と好感した。

詳細は、以下の通り。

・1年先の家計見通し指数 123>前月は122
向上する 34=前月は34
変わらず 52=前月は52
悪化する 11<前月は12

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 81、4ヵ月ぶり高水準>前月は79
所得の伸びが物価を上回る 22=前月は22
所得の伸び率と物価が同じ 37、6ヵ月ぶり高水準>前月は34
所得の伸びが物価を下回る 41、直近で最低<前月は43

・1年先のビジネス見通し指数 102<前月は106
向上する 24、直近で最低<前月は26
変わらず 53>前月は52
悪化する 22、直近で最悪>前月は20

・1年先の失業率見通し指数 99>前月は96
低下する 23>前月は21
変わらず 52<前月は53
上昇する 24<前月は25

・1年先の金利見通し指数 40<前月は51(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 6<前月は8
変わらず 28<前月は34
上昇する 66、直近で最高>前月は57

・自動車購入指数 143<前月は145
買い時 69<前月は70
分からない 5=前月は5
買い時ではない 26>前月は25

・住宅購入指数 159>前月は157
買い時 78>前月は77、4ヵ月ぶり低水準
分からない 3=前月は3
買い時ではない 19<前月は20

——米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は低下したとはいっても高水準をキープしており、人民元切り下げをはじめ米株相場の下落を踏まえれば小幅にとどまりました。前日の米7月小売売上高に加え、米7月鉱工業生産や米7月生産者物価指数が市場予想を上回り、9月利上げ観測は再び巻き戻しつつあります。織り込み度は38.6%まで低下した後、45.0%まで急速に上昇してきました。

問題は、米8月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値でしょう。人民元切り下げもさることながら、中国の天津で発生した大爆発で企業が操業停止に見舞われるなどサプライ・チェーンに影響を及ぼしかねない。時差を伴ってセンチメントを直撃する恐れもあり9月に利上げ開始に踏み切らなければいつ着手できるか不透明性が高まるなか、Fedには悩ましい状況が続きます。

(カバー写真:elysiumcore/Flickr)

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