University Michigan Consumer Sentiment Tumbles To Lowest Level In A Year.
米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は85.7となり、市場予想の91.0を下回った。前月の91.9を下回り、1年ぶりの低水準。前月からの下げ幅は、2012年末以来で最大を記録している。NYの気温とともに熱気はどこへやら、秋風が吹き付けてきたようだ。内訳をみると現況指数が100.3で、前月の105.1から低下。2014年10月以来の下振れを示す。見通し指数は76.4と、ヘッドラインと同じく過去1年間の上げ幅を打ち消した。原油先物が約6年半ぶりの安値で下げ渋るなかインフレ見通しは1年先につき2.9%となり、6ヵ月ぶりのレベルへ上昇。5−10年先も2.8%と、8月の2.7%を上回り7月の水準へ並んだ。
ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は結果を受け「消費者は足元の国内経済の力強さを背景に拡大トレンド継続への確信をいく分高めた」と振り返る。さらに「雇用と低インフレが(米株安に伴う)家計資産の減少の悪材料を打ち消した」とも指摘。年内は「消費の強さを維持する」と見込む。ただ消費者は「世界景気の減速を理由に国内経済の鈍化のほか、雇用と賃金の鈍化を予想している」ため、Fedが利上げに踏み切れば「将来の成長鈍化のサインと受け取りかねない」と結んだ。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、今回の低下こそ「金融市場のボラティリティ上昇と世界景気鈍化への出遅れた反応」と分析する。8月の確報値より「明らかに家計動向の現況(120→109)および見通し指数(124→119)が下振れし、12ヵ月先の経済見通し(111→95)も急低下していた」。短期的なセンチメントは楽観トーンの後退が目立ったものの、「長期的見通しは割合に安定的」で「購入見通し指数も比較的持ちこたえた」ため、「所得と雇用の拡大がネガティブ要因を打ち消すだろう」とまとめている。
詳細は、以下の通り。
・1年先の家計見通し指数 119、直近で最低<前月は124
向上する 32<前月は34
変わらず 51<前月は53
悪化する 13>前月は10
・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 74、6ヵ月ぶり低水準<前月は79
所得の伸びが物価を上回る 20<前月は21
所得の伸び率と物価が同じ 33<前月は36
所得の伸びが物価を下回る 46>前月は42
・1年先のビジネス見通し指数 93、直近で最低<前月は103
向上する 20<前月は24
変わらず 52<前月は53
悪化する 27>前月は21
・1年先の失業率見通し指数 87、直近で最低<前月は99
低下する 18<前月は24
変わらず 50<前月は51
上昇する 31>前月は25
・1年先の金利見通し指数 42=前月は42(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 7>前月は5
変わらず 27<前月は31
上昇する 65>前月は63
・自動車購入指数 134、直近にて最低<前月は139
買い時 64<前月は66
分からない 6<前月は7
買い時ではない 30>前月は27
・住宅購入指数 154、5ヵ月ぶりの低水準<前月は159
買い時 76<前月は79
分からない 2>前月は1
買い時ではない 22>前月は20
——米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、人民元切り下げや世界同時株安の混乱に時間差で反応してきました。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のヒルゼンラス記者は、足元で9月据え置きキャンペーンを展開中。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが足元で明確に9月利上げ実施のシグナルを発していないと説きます。欧州中央銀行(ECB)が原油高を背景に2011年4月と7月に利上げに踏み切った後、ドラギ総裁が就任した同年11月と12月に利下げに転じた過去を踏まえ、その他メディアでも9月利上げ回避の論調に傾倒しつつある。その割に、マーケットは「もしも」のリスクを踏まえ様子見を決め込んでいるようです。
(カバー写真:elysiumcore/Flickr)
Comments
米8月PPI、サービスを中心に予想外の底堅さ示す Next Post:
運命の9月FOMC、エコノミストはこう読む