Housing Starts Below The Estimates, Permits Show Solid Pace.
米8月住宅着工件数は年率112.6万件となり、市場予想の116.8万件に届かなかった。前月の116.1万件(120.6万件から下方修正)を3.0%下回る。6月に120万件を超えリセッション入り前に当たる2007年10月の高水準に達した後、3ヵ月ぶりの水準に減速した。
内訳をみると、一戸建てが前月比3.0%減の73.9万件と減少に反転。7月は、2007年12月以来の高水準を遂げていた。複合住宅も3.0%減の38.7万件で、2ヵ月連続で減少。6月は、NY州の減税終了の駆け込み需要を背景に1988年以来の水準へ拡大していた。前年比での住宅着工件数は16.6%増と、前月の6.0%増から加速。5ヵ月連続で前年比プラスを迎えた。一戸建てが14.9%増と5ヵ月連続で増加したほか、複合住宅も19.8%増と前月の8.9%減から増加に転じた。
4大地域別では、3地域で減少。前月までは、2地域で増加した。今回は税制優遇措置の撤廃を背景に北東部が33.7%減の10.8件と2ヵ月連続で2桁減を示す。西部も1.1%減の25.9万件と、2ヵ月連続で減少。中西部は9.8%減の15.7万件となり、3ヵ月ぶりに減少に転じた。一方で、南部のみ7.1%増の60.2万件と3ヵ月連続で増えた。
米8月建設許可件数は117.0万件となり、市場予想の116万件を上回った。7月の113.0万件から3.5%増加。ただニューヨーク州で住宅建設向け減税策が期限切れを迎えたため、6月に記録した2007年1月以来の高水準(133.7万件)から沈静化した水準を保つ。
内訳をみると、7月に北東部に押し下げられた複合住宅は前月比4.7%増の47.1万件と前月の30.2%減から反発した。一戸建ても2.8%増の69.9万件で、増加に転じた。建設許可件数の前年比は12.5%増と、前月の7.5%増(速報値)から加速し9ヵ月続けてプラス。一戸建てが8.7%増だったほか、複合住宅は18.6%と2桁増をみせた。
米8月建設中件数は前月比1.3%増の92.0万件となった。増加トレンドを維持するなか、件数ベースでは少なくとも2009年以来の高水準を達成。一戸建てが1.5%増の39.4万件と6ヵ月連続で増加したほか、賃貸需要を背景に複合住宅が1.2%増の52.6万件と12ヵ月連続で増えた。
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果を受け「住宅着工件数と建設許可件数ともに順調な水準を保つほか、複合住宅は2014年の平均値を超え1−3月期平均を下回る程度でモメンタムを維持している」と評価した。
——米9月NAHB住宅市場指数が好調だったように、米8月住宅着工件数は順調そのもの。全米ホームビルダー協会(NAHB)は、住宅着工件数につき今年110万件を予想して悪い数字ではありません。金利が上昇に向かっても、このままのペースを維持できるか試されます。
(カバー写真:Michael Tapp/Flickr)
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