Core Consumer Price Index Lends Support To Lift-Off.
米11月消費者物価指数(CPI)は前月比±0%となり、市場予想に並んだ。3ヵ月ぶりにプラスに乗せた10月の0.2%から、鈍化。原油先物が12月に2009年2月以来の安値へ戻す過程で、エネルギーが1.3%低下し前月の0.3%の上昇から転じており、そのうちガソリン価格も2.4%低下し、こちらもマイナスから反転している。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は6月に一時2.835ドルと2014年11月の水準まで切り返した後、11月は一時2.094ドルへ下落。約9ヵ月ぶりの水準へ失速していた。食品・飲料は0.1%低下し、6ヵ月ぶりに下振れした。
CPIコアは3ヵ月連続で前月比0.2%上昇し、市場予想にも並んだ。2013年1月以来の高水準を示した4月の0.3%に接近した水準を保つ。シェアの大きい帰属家賃は前月に続き0.2%上昇し、堅調なペースを維持。家賃も0.2%と、15ヵ月連続で上昇した。住宅も0.2%上昇し、7ヵ月連続で上向いている。サービスは3ヵ月連続で0.3%上昇。特に医療費が少なくとも1997年以来で最高を記録した前月の0.7%に続き、0.4%と3ヵ月連続で寄与した。航空運賃も、前月に続き1.2%と上昇。教育も3ヵ月連続で0.3%上昇している。一方で服飾は平年を上回る気温を背景に0.3%低下し、3ヵ月連続でマイナスに落ち込んだ。新車は±0%と前月の0.2%からマイナス圏を脱したものの、中古車は0.1%と7ヵ月連続で低下した。
CPIの前年比では0.2%上昇し、市場予想の0.1%を上回った。前月の±0%からも改善している。年初来で最高を遂げた。CPIコアの前年比は前月と同じく1.9%と、市場予想にも並んだ。2014年5月以来の2%台に乗せている。
Fedが注目するコアPCE(実線、青と赤)より、コアCPI(点線、緑)は加速。
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モダン米主席エコノミストは、結果を受け「エネルギーと食品がコアの上昇分を打ち消したに過ぎない」と説明する。その上で「利上げ開始を目指すFedには好材料で、インフレが徐々に上昇するとの見通しに合致するものだ」と結んだ。
――米11月輸入物価指数が落ち込んだものの、米11月生産者物価指数(PPI)と同じく米11月CPIはインフレの芽吹きを感じさせます。インフレはベース効果が剥落し、2016年はCPIとコアCPIそろって上向く公算が大きい。今後はコアCPIで2%乗せが期待でき、利上げ開始目前のFedには朗報でしょう。
(カバー写真:elysiumcore/Flickr)
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