Wall Street Expects Fed To Raise Rates 3 Times In 2016.
CNBC恒例、米連邦公開市場委員会(FOMC)直前のFedサーベイで16日の利上げ発表は織り込み済みでした。41名のエコノミストをはじめストラテジスト、マネー・マネージャーなどを対象とした調査では、95%に達しています。2016年の利上げ回数は、中央値で3回でした。その他、気になる内容は、以下をご笑覧下さい。
1)12月利上げ予想
・12月 95%>10月の年内利上げ開始予想 46%
2)2016年の利上げ回数
・1回 12%
・2回 29%
・3回 21%
・4回 29%
・5回 7%
※中央値は3回
3)2016年FF金利水準、中央値
・12月は0.90%<10月は0.91%、3月は1.84%
4)バランスシートの縮小時期、中央値
・12月は2016年<10月は2016年11月
バランスシート縮小は、後ろ倒しトレンド継続。
(出所:CNBC)
5)Fedの利上げ終了着地点
・12月は2.58%<10月は2.65%
6)S&P500見通し(15日の引け値は2043)
・2016年末 12月は2140<10月は2166
・2017年末 12月は2223(2016年末の予想から約4%高を見込む)
7)米10年債利回り見通し(15日は2.26%)
・2016年末 12月は2.67%>10月は2.60%
・2017年末 12月は3.09%
8)米株・米債市場での利上げ織り込み度・米株 12月は80%>10月は33%
・米債 12月は85%>10月は26%
9)GDP見通し
・2015年 12月は2.30%<10月は2.32%
・2016年 10月は2.60%・2017年 12月は2.40%
10)利上げの幕引き
・まずい幕引きとなる 38%
・中立的になる 44%
・良い幕引きとなる 13%
11)1年先の景気後退リスク
・12月は22.9%、約3年ぶりの高水準>10月は22%
――CNBCが実施した最高財務責任者(CFO)対象の調査結果では、2回との予想が70%と追随を許さぬ高水準でした。米10月雇用統計の後で流れた「one and done=1回利上げして終わり」の思惑こそ後退しつつ、ウォール街より断然慎重に見ています。
原油先物が2009年2月以来の水準まで沈み、サード・アベニューのファンドが換金停止を発表するなどジャンク債市場に激震が走るなか、景気後退リスクを予想する市場参加者もじわり増えてきました。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のヒルゼンラス記者が繰り返し「1854年以降、景気拡大期は33回あり今回は78ヵ月と4番目に長い」と伝えるだけに、6~7年に一度との観測が根強い景気後退リスクへの警戒が強まっているのでしょう。ただアメリカ人の気質はflip-flop、良く言えば柔軟に富んでいるだけに、FOMC後にスタンスが変化する余地を残します。
(カバー写真:jpellgen/Flickr)
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