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米新規失業保険申請件数、約3ヵ月半ぶりの高水準から減少

by • December 21, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1720

Jobless Claims Fall, Leading Indicators Rise.

大変遅ればせながら、17日に公表された経済指標を振り返ります。まずは、米新規失業保険申請件数からご笑覧下さい。

米新規失業保険申請件数は12月12日週に27.1万件と、市場予想の27.5万人を下回った。8月29日週以来の28万件に乗せた前週の28.2万件から減少している。ただ、1973年11月24日以来の低水準に並んだ10月24日週の25.6万件から遠ざかった水準を保った。米労働省は今回、特殊要因を挙げていない。4週平均は27万500件と前週から減少しつつ、1973年12月以来の低水準に至った10月24日週の25万9250件を超えた水準を維持した。

12月5日週までの継続受給者数は223.8万件となり、前週の224.5万人を下回った。2000年11月以来の低水準を記録した10月24日週の214.6万件(修正値)を超える水準を継続している。被保険者に占める失業者の割合は2週連続で1.7%となり、1971年以来の最低から0.1%ポイント上昇したままだ。

今回は、27万件台のレンジへ切り返す。
スクリーンショット (103)
(出所:My Big Apple NY)

州別で増加が目立ったのはカリフォルニア州で2万2487人増、ニューヨーク州も1万3113人増と大都市を抱える州で顕著となった。そのほかペンシルベニア州も1万2021人増、テキサス州も1万728万人増、ジョージア州も8275人増と、人口の多い州が並ぶ。反対に減少した州はケンタッキー州で1256人減、アーカンソー州で533人減、ルイジアナ州で140人減と南部がそろった。

▽米11月景気先行指数、予想以上に上振れ

米11月景気先行指数は前月比0.4%上昇の124.6となり、市場予想の0.1%を上回った。7-8月の±0%を経て7ヵ月ぶりのマイナスへ転じた9月から、改善し続けている。内訳をみると、全体的にまちまち。米11月建設許可件数が増加したように建設許可が押し上げたほか、株式指数も寄与。そのほか信用、消費財受注、長短金利スプレッドが支えた。一方で米新規失業保険申請件数、消費者見通し、非防衛財受注、そして11月に2009年以来の分岐点割れを示したISM製造業景況指数はそれぞれ低下した。

一致指数は0.1%上昇の113.3となり、6ヵ月連続で上昇。遅行指数は0.3%上昇の119.6と上昇トレンドを維持した。

発表元であるカンファレンス・ボードのエコノミスト、アタマン・オジルディリム氏は、結果を受け「建設許可や長短金利差が押し上げ、2ヵ月連続で上昇した」と振り返る。もっとも「6ヵ月平均の伸びは鈍化したとはいえ、2016年にかけ拡大モメンタムを保つ」とまとめた。

▽米7−9月期経常収支、約7年ぶりの赤字水準へ拡大

米7−9月期経常収支は1241億ドルの赤字となり、市場予想の1186億ドルの赤字を上回った。4−6月期の1111億ドルの赤字(1097億ドルから修正)からも、11.7%拡大。2008年10−12月期以来の高水準を示す。貿易赤字が1337億ドルと、前期の1331億ドルから増加し赤字拡大につながった。ドルが過去18ヵ月間で19%も上昇した影響で、輸出が1.2%減の3799億ドルにとどまる。7−9月期の経常赤字は国内総生産(GDP)比2.7%となり、前期の2.5%から上昇し1−3月期の水準へ戻した。

-- 新規失業保険申請件数は雇用統計のサンプル週に27.1万件、4週平均も27.05万件となり、前月の当該週の27.2万件、27.1万件からそれぞれ若干改善しました。米11月雇用統計より、改善する余地を残します。

景気先行指数は2ヵ月連続で強含み、ISM製造業景況指数をはじめ製造業センチメントより楽観的な数字が続きました。ただし経常赤字はドル高を一因に拡大するなど、バラ色といった様相を呈していません。だからこそ、Fedは「緩やかな(gradual) 」利上げを余儀なくされているのでしょうね。

(カバー写真:kate hiscock/Flickr)

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