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米12月ミシガン大消費者信頼感・確報値は上方修正も、見通しが課題

by • December 24, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2181

Michigan Consumer Confidence Ticks Higher With Soft Details.

米12月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は92.6となり、市場予想の92.0を上回った。速報値の91.8からも、上方修正。中国が人民元を切り下げる以前となる7月以来の高水準となる。内訳をみると、現況指数が108.1と速報値の107から上方修正され6ヵ月ぶりの高水準を達成。見通し指数は82.7と速報値の82.0から引き上げられつつ、前月の82.9には届いていない。

原油先物が2009年以来の安値で推移するなか、インフレ見通しは1年先につき速報値と変わらず2.6%で、前月の2.7%を下回った。5−10年先も速報値と横ばいとなり、2ヵ月連続で2.6%。2002年9月以来の低水準だった速報値の2.5%を超える水準を保つ。

ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は、今回の結果が5ヵ月ぶりの高水準だっただけでなく「2015年の平均値92.9に並び2004年以来の高水準」と評価する。現況指数が全体を押し上げた理由としては「低水準にあるインフレ見通し」を挙げ、「実質賃金を押し上げ購入見通しを明るくさせる」との見解を寄せた。2016年の個人消費見通しを「2.8%増」で据え置いた。

金融危機を経た景気回復サイクルで、どうも見通し指数が出遅れ気味。
michigan
(出所:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 124=速報値は124、前月は122
向上する 33=速報値は33、前月は34
変わらず 57=速報値は57、前月は52
悪化する 9=速報値は9、前月は12

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 82、直近で最高>速報値は78、前月は79
所得の伸びが物価を上回る 23、3ヵ月ぶり高水準>速報値は20、前月は21
所得の伸び率と物価が同じ 35<速報値は36と3ヵ月ぶり高水準、前月は36
所得の伸びが物価を下回る 41、直近で最低<速報値は42、前月は42

・1年先のビジネス見通し指数 103、4ヵ月ぶり高水準=速報値は103、前月は102
向上する 21=速報値は21、前月は20、直近で最低
変わらず 58=速報値は58、前月は59、直近で最高
悪化する 18=速報値は18で6ヵ月ぶり低水準、前月は18

・1年先の失業率見通し指数 96>速報値は92、前月は101で5ヵ月ぶり高水準
低下する 21>速報値は18と直近で最低、前月は22
変わらず 53<速報値は54、前月は55と直近で最高
上昇する 25<速報値は26、前月は21で5ヵ月ぶり低水準

・1年先の金利見通し指数 35、直近で最低<速報値は36、前月は45(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 4=速報値は4と直近で最低、前月は5
変わらず 26、直近で最低<速報値は27、前月は34
上昇する 69と直近で最高>速報値は68、前月は60

・自動車購入指数 141>速報値は138、前月は147と直近で最高
買い時 67<速報値は67、前月は70と4ヵ月ぶり高水準
分からない 4<速報値は4、前月は7
買い時ではない 29>速報値は29、前月は23と直近で最低

・住宅購入指数 156<速報値は160と直近で最高、前月は158
買い時 77<速報値は79と4ヵ月ぶり高水準、前月は78
分からない 2=速報値は2、前月は2
買い時ではない 21>速報値は19と直近で最低、前月は20

——米12月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。

1)所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数、直近で最高の楽観度に

2)1年先の失業率見通し指数が改善

3)金利上昇観測が浮上

4)自動車購入意欲は上昇も、住宅購入意欲は低下

要は労働市場に楽観的で家計への不安も後退するものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)が12月に9年半ぶりに利上げを開始したため金利上昇懸念が高まり、高い買い物への意欲が薄れているんですね。今後の利上げペースがいかに「緩やか」かが判明すれば、住宅購入見通しも明るさを取り戻すのかもしれません。

(カバー写真:elysiumcore/Flickr)

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