Auto Sales Set Record In 2015 Though December Result Less Than Expected.
オートデータが発表した米12月新車販売台数は、前年同月比9.0％増の164万3,289台だった。前月の131万9,913台を大幅に上回る。年率換算では1,734万台と市場予想の1,810万台以下にとどまった。ホリデー商戦の最中、営業日は2014年12月より2営業日多かったものの力及ばず。前月の1,819万台も下回り、2000年以来となる1800万台突破を3ヵ月連続で止めている。ただ2015年通年では前年比5.7％増の1,747万台と、2000年に樹立した1,735万台を突破し過去最高を塗り替えた。
メーカー別では、ビッグ3は全て市場予想を下回った。日系メーカーでも、日産のみが市場予想を上回る程度に。車種では、引き続きトラックをはじめスポーツ多目的車（SUV）が売上に寄与。ガソリン価格が11月の2.224〜2.059ドルから、12月に一時2.026ドルと205年3月以来の2ドル割れが迫った。
ケリー・ブルー・ブックによると、12月の平均販売価格は前年同月比0.9％上昇の3万4,428ドル（約406万円）だった。11月の0.7％を小幅に上回る。前月比では、0.7％の上昇。11月の0.7％の上昇。11月の0.4％から伸びを広げ4ヵ月連続で上昇した。メーカー別の12月平均価格は販売台数で日米メーカーの間で唯一アナリスト予想を超えた日産が前月比・前年比そろって下落したほか、フォードも前月比で小幅鈍化した。
排ガス不正問題に揺れるVWは、9～11月の下落を経て大幅上昇。
（出所：Kelley Blue Book）
2016年の新車販売台数につき、自動車価格情報サイトのトゥルーカーは「1,800万台」を予想する。ただし、伸び率は3％台とし、2015年の5.7％を下回る見通しだ。以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。
GMは前年同月比5.7％増の29万230台となり、市場予想の10％増を下回った。もっとも、4ヵ月連続で増加している。2015年通年で前年比5.0％増の308万2366台で、2000年代半ば以来で最高を遂げた。4大ブランド別では全て増加し、11月の2ブランドを上回った。12月の詳細は、以下の通り。
・GMC 13.0％増の5万9,941台、前月から増加に反転
→トラックは23％増で「シエラ」が17％増、「ユコン」も12％増と支え。
・シボレー 2.1％増の4万3,039台、3ヵ月連続で増加
→販売台数ベースでは単月で2006年以来、小売ベースでは2005年以来で最高に。SUVをはじめトラック、ピックアップ・トラックが10％増で特に「シルバラード」は2005年以来で最高。小型車も好調で「ボルト」の小売ベースは2016年型で41％増となり、在庫はわずか10日と非常に短い。
・キャデラック 28.7％増の2万787台、4ヵ月連続で増加
→単月ベースで、2007年以来で最高、「ATX」や「XTS」はそれぞれ40％増、50％増
・ビュイック 1.7％増の2万708台、3ヵ月ぶりに増加
→単月ベースで、2007年以来で最高
フォードは8.3％増の23万9,242台となり、市場予想の11％増に届かなかった。とはいえ、単月ベースで2006年以来の最高を記録。2大ブランド別では、それぞれ増加した。2015年通年では、前年比5.3％増の261万3,162台と2006年以来で最高となる。12月の詳細は、以下の通り。
・フォード 8.2％増の22万8,382台、7ヵ月連続で増加→アルミ製ボディの新型トラック「Fシリーズ」が14.6％増の8万5,211台と、6ヵ月連続でプラスをたどった。SUVの「エッジ」は29.3％増と2桁を記録。SUVとしては13％増で、2003年以来で最高を示す。もっとも小型車の「フォーカス」が26.1％減だったほか、「フィエスタ」も4.7％減とさえない。マスタングも8.1％減と2ヵ月連続で下押しした。
・リンカーン 12.1％増の1万860台、4ヵ月ぶりに増加
→単月ベースで2006年以来、年間では2008年以来で最高。「MKZ」が22％増となったほか、新型「MKX」も77.4％増と目立った。
フィアット・クライスラー・オートモビルは13.0％増の21万7,527台となり、市場予想の3.2％増に及ばなかった。前年比プラスは69ヵ月連続で、単月ベースでは過去最高だった。5大ブランド別では、4ブランドが増加。11月の2ブランドを上回る。通年では前年比7.3％増の209万639台と、2005年以来で最高に至った。12月の詳細は、以下の通り。
・ジープ 42％増の8万9,654台、27ヵ月連続で増加→単月ベースでは、2013年11月以来続く過去最高をたどる。「チェロキー」を含め5車種が単月での記録を打ち立てた。
・ラム 4％増の5万463台
→単月では、1999年以来で最高を達成した。「P/U」が2％減だったものの、「プロマスター・バン」が41％増と支えた。
・ドッジ 6％増の4万9,256台、2ヵ月連続で増加
→単月では、3年ぶりの高水準。クロスオーバーが単月で過去最高を示すし「デュランゴ」が25％増と目立つ。
・フィアット 1％増の3,805台、前月から増加に反転
→新型「500X」が支え、「500」や「500L」の落ち込みを抑えた。
・クライスラー 21％減の2万4,292台、2ヵ月連続で減少
→ミニバン「タウン・アンド・カウンティ」が32％減と落ち込み、セダン「200」の52％増を打ち消した。
日本車では、トヨタが10.8％増の23万8,350台で市場予想の12％増に及ばなかった。ブランド別では、2大ブランドそろって増加している。2015年通年では、前年比5.3％増の249万9,313台だった。12月の詳細は、以下の通り。
・トヨタ 12.4％増の19万6,970台、前月に続き増加
→単月で最高。引き続きSUVやトラックが牽引し、日本では来春に販売・生産を打ち切る計画のSUV「RAV4」が38.6％増の3万1,866台と、2ヵ月連続で単月での記録を塗り替えた。セダンはまちまちで「カムリ」が9.5％増の3万7,299台だった半面、「カローラ」は±0％の3万2,445台と横ばいにとどまった。
・レクサスは3.8％増の4万1,380台となり、増加トレンドを維持
→あらゆる月を合わせて、過去最高。特にセダンの「GS」が15.8％増と強い伸びを見せつけた。
ホンダは9.9％増の11万5,441台となり、市場予想の10％増にあと一歩届かなかった。もっとも、単月で最高を打ち立てている。ブランド別では、2大ブランドそろって増加した。通年では3.0％増の158万6,551台で、2007年の記録を超え過去最高を遂げた。12月の詳細は、以下の通り。
・ホンダ 4.2％増の10万3,197台、前月から増加に反転
→単月で最高を記録。11月に続きセダンが良好で「アコード」は11.0％増の3万5,056台、「シビック」も29.4％増の3万2,768台とプラスを維持した。11月に続き小型SUVの「CR-V」は3.7％減の3万1,185台だったものの、年間では3.2％増の34万5,647台と過去最高に達した。
・アキュラ 12.3％減の1万3,344台、増加に反転
→2007年以来で最高。セダン、トラックともに好調だった。
日産は18.7％増の13万9,300台となり、市場予想の16％増から加速した。2大ブランドは、そろって増加。通年では、7.1％増の148万4,918台で過去最高をマークしている。12月の詳細は、以下の通り。
・日産 17.9％増の12万4,207台、4ヵ月連続で増加
→SUV・トラック部門の「ローグ」が78.0％増の2万6,479台、「ムラノ」は62％増の7,083台でそれぞれ単月での最高を示した。ただしセダン「アルティマ」は8.9％減の2万9,462台と落ち込んだ。
・インフィニティ 17.9％増の1万5,093台、前月に続き増加
→単月で最高の伸びを達成。SUVの「QX50」が548.7％増の1,453台のほか、「QX70」など2桁増が目立った。
その他の海外メーカーでは、フォルクスワーゲン（VW）が9.1％減の3万956台と市場予想の0.2％増に反する結果となった。排ガス不正が発覚した9月、および10月は値下げ効果もあって小幅な増加にとどまったが、ガソリン車にも火種が及んだ上に前月比および前年比で値上がりしたため、減少をたどる。一方でアウディが6.0％増と前月の0.4％増を上回り、グループ全体では3.4％減と前月の16.3％減から下げ幅を縮小した。ヒュンダイは1.5％減の6万3,508台、キアは19.0％増の5万4,241台とまちまちだった。
自動車メーカーからディーラーへの1台当たりインセンティブ、独高級車およびホンダとスバルで減少。
1台当たりのインセンティブ、韓国メーカーが2桁でVWを大幅に上回る。
（出所：Truecar via Street Insider）
高級車部門別ランキングは、以下の通り（％は全て前年比）。
1位 レクサス 3.8％増の4万1,380台
→3位が目立った年だったが、7−8月に続き首位を奪還した。年間では10.7％増の34万4,601台で、年間ベースでは3位。2011年まで11年間連続で首位を飾ったが、東日本大震災後に順位を落とし2014年、2013年、2012年に続き3位にとどまる。
2位 メルセデス・ベンツ 2.6％増の3万8,249台
→1－2月、4－5月、9－11月に続き首位の座を射止めたが、年の締め括りは2位に甘んじた。3月、6月、7月、8月は2位。年間では4.7％増の37万2,977台で王座を堅持した。2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。
3位 BMW 16.6％減の3万4,625台
→3月、6月にトップを奪取した後で7−8月は3位と後塵を拝し、9−10月は2位に収まった後で3位に陥落した。年間では1.8％増の34万6,023台となり、メルセデス・ベンツに譲っている。2014年では1位、2013年は2位だった。
4位 キャデラック 28.7％増の2万787台
→アキュラと6位争いを繰り広げた後、アウディを抜いて4位の座を射止めた。年間では2.6％増の17万5,262台で7位だった。
5位 ビュイック（GM）1.7％増の2万708台
→7—10月まで4位だったがアウディの追撃を許し、そのまま5位を堅持した。年間では2.6％減の22万3,055台で4位だった。
6位 アウディ（VW）6.0％増の2万399台→VWショックに揺れながら10月まで4ヵ月連続で5位を経て、11月はビュイックを抜き去り4位に浮上。しかし12月にキャデラックの猛追を受けて、6位に陥落した。年間では11.1％増の20万2,202台で5位に終わった。
7位 アキュラ 5.5％減の1万6,824台
→キャデラックの反撃に圧され、前月の6位からランクダウンした。年間では5.6％増の17万7,165台で6位に収まっている。
8位 インフィニティ 25.7％増の1万5,093台
→6ヵ月連続で8位。年間では13.8％増の13万3,498台で8位だった。
12月版：自動車メーカー別のシェアの1位はGMながら、2位はトヨタとフォードが並ぶ。VWは8位を堅持。
2015年版：自動車メーカー別のシェア
（出所：Good Car Bad Car）
12月版：新車販売台数、ブランド別ランキング（％は前年同月比）
1位 Fシリーズ（フォード）14.6％増の8万5,211台、前月も1位
2位 シルバラード（GM、シボレー）8.9％増の6万2,992台、前月も2位
3位 ラム（フィアット・クライスラー、ドッジ）2.5％減の4万3,135台、前月も3位
4位 カムリ（トヨタ）18.0％増の3万5,056台、前月も4位
5位 アコード（ホンダ）11.0％増の3万5,056台 前月は7位
6位 シビック（ホンダ）29.4％増の3万2,796台 前月は8位
7位 カローラ（トヨタ）7.7％増の3万2,245台 前月は9位
8位 RAV 4（トヨタ）38.6％増の3万1,866台 前月は5位
9位 CR−V（ホンダ）3.7％減の3万1,185台 前月は6位
10位 アルティマ（日産）8.9％減の2万9,462台 前月は圏外
2015年版：新車販売台数、ブランド別ランキング（％は前年比）
1位 Fシリーズ（フォード）3.5％増の78万354台
2位 シルバラード（GM、シボレー）13.4％増の60万544台
3位 ラム（フィアット・クライスラー、ドッジ）2.6％増の45万1,116台
4位 カムリ（トヨタ）0.2％増の42万9,355台
5位 カローラ（トヨタ）7％増の36万3,332台
6位 アコード（ホンダ）8.4％減の35万5,557台
7位 CR−V（ホンダ）3.2％増の34万5,647台
8位 シビック（ホンダ）2.9％増の33万5,384台
9位 アルティマ（日産）0.7％減の33万3,398台
10位 RAV-4（トヨタ）17.8％増の31万5,412台
12月SUV版：新車販売台数、ブランド別ランキング（％は前年同月比）
1位 RAV 4（トヨタ）38.6％増の3万1,866台 前月は2位
2位 CR−V（ホンダ）3.7％減の3万1,185台、前月は1位
3位 エスケープ（フォード）9.2％増の2万7,954台、前月は4位
4位 ローグ（日産）78.0％増の2万6,479台、前月は3位
5位 ジープ・チェロキー（フィアット・クライスラー）35％増の2万4,049台、前月は6位
6位 エクィノックス（シボレー）2.5％増の2万1,827台、前月は5位
7位 エクスプローラー（フォード）25.6％増の2万723台、前月は8位
8位 ジープ・グランドチェロキー（フィアット・クライスラー）22.3％増の2万1,008台、前月は7位
9位 フォレスター（スバル）10.8％増の1万6,797台、前月は10位
10位 ハイランダー（トヨタ）7.2％増の1万6,100台、前月は11位
2015年版 SUV版：新車販売台数、ブランド別ランキング（％は前年比）
1位 CR−V（ホンダ）3.2％増の34万5,647台、前年も1位
2位 RAV 4（トヨタ）17.8％増の31万5,412台 前年は3位
3位 エスケープ（フォード）0.1％増の30万6,492台、前年は2位
4位 ローグ（日産）44.2％増の28万7,190台、前年は6位
5位 エクィノックス（シボレー）14.6％増の27万7,589台、前年は4位
6位 エクスプローラー（フォード）18.7％増の24万9,251台、前年は5位
7位 ジープ・チェロキー（フィアット・クライスラー）23.4％増の22万260台、前年も8位
8位 ジープ・ラングラー（フィアット・クライスラー）15.6％増の20万2,702台、前年は9位
9位 ジープ・グランドチェロキー（フィアット・クライスラー）6.6％増の19万5,958台、前年は7位
10位 フォレスター（スバル）9.5％増の17万5,192台、前年も10位
（カバー写真：Ford）
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