Cruz And Sanders Enjoy Big Night, Trump And Clinton Also See Gains.
スーパー・サタデーと呼ばれる、5州で行われた予備選/党員集会で2人の男が輝きを放ちました。共和党のテッド・クルーズ候補と、民主党のサンダース候補です。
ひとまず、CNNから結果を振り返ってみましょう。赤字、青字が勝者です。
▽カンザス州
〜共和党〜
クルーズ 48.2%
トランプ 23.3%
ルビオ 16.7%
〜民主党〜
サンダース 67.7%
クリントン 32.3%
▽ケンタッキー州 共和党のみ
トランプ 35.9%
クルーズ 31.6%
ルビオ 16.4%
▽メイン州 共和党のみ
クルーズ 45.9%
トランプ 32.6%
ルビオ 12.2%
▽ルイジアナ州
〜共和党〜
トランプ 41.4%
クルーズ 37.8%
ルビオ 11.2%
〜民主党〜
クリントン 71.1%
サンダース 23.3%
▽ネブラスカ 民主党のみ
サンダース 56.4%
クリントン 43.6%
メディアは、ご覧のようなヘッドラインを走らせています。
・ワシントンポスト 「クルーズは2勝、クリントンは代議員数でリードを維持(Double wins boost Cruz; Clinton maintains delegate lead)
・WSJ 「トランプ、クルーズの手強い挑戦をかわす(Trump Fends Off a Tough Challenge From Cruz)」、「クリントン、ルイジアナでの勝利で2州の党員集会での敗北を相殺(Clinton’s Louisiana Win Helps Offset Two Caucus Defeats)」
・CNN「クルーズにとってビッグイベントに、ルビオはクルーズ台頭で翳り、トランプ、クリントン、サンダースも勝利(Big night for Cruz, Rubio Fades As Cruz Rises ; Trump, Clinton, Sanders Also Make Gains)」
・ポリティコ「クルーズとトランプ、2人の戦いへ向け焦点を探る(Cruz and Trump seek a two-man fight to the finish)」
共和党候補のうち、代議員獲得状況は以下の通り。
(出所:CNN)
ポリティコのヘッドラインにある通り”トランプVSクルーズ”、2人の戦いへ様相が変わってきています。クルーズ候補は勝利宣言で「ドナルド・トランプを打ち負かすために、我々は1つに結束しなければならない」と呼びかけ、ルビオ候補の撤退を求めるはずです。トランプ候補も、ルビオ候補の敗北宣言を呼びかけていました。
ルビオ候補が起死回生を賭けるのは、3月15日。同日に実施される予備選には、ルビオ候補のお膝元であるフロリダ州を含みます。99もの代議員数は勝者総取り方式になるため、トランプ候補とクルーズ候補がルビオ候補をやり込めるためタッグを組む可能性が高まるなか、ルビオ候補は逆境を跳ね返せるのでしょうか?
世論調査動向では、ルビオ候補に希望の光が灯っています。4日にテランス・グループが発表した最新の結果では、トランプ候補の支持率が35%に対しルビオ候補が30%でした。トランプ候補が優勢なままとはいえ、キニアピック大学が2月21〜24日に調査した時点ではトランプ候補が44%、ルビオ候補が28%、その差は16%から改善しています。テル・オピニオン・リサーチ調べでもトランプ候補が34%、ルビオ候補が27%でその差は7%だったところ、徐々に縮小してきました。
フロリダ州支持率・平均値はトランプ候補が44.7%、ルビオ候補が26.0%、クルーズ候補が12.3%。
(出所:RealClearPolitics)
しかしながら予備選の流れがトランプ候補とクルーズ候補へ傾く状況。ルビオ候補に神風が吹くかは、非常に微妙と言わざるを得ません。
翻って民主党候補、代議員獲得状況は以下の通り。
(出所:CNN)
ビル・クリントン元大統領がマサチューセッツ州の投票所に登場し選挙違反の問題に揺れ、クリントン候補が国務長官時代に公務に個人用の電子メールを使用した問題ではプライベート・サーバーの設置に協力した国務省元職員、ブライアント・パグリアーノ氏の刑事責任免除が伝えられた影響もあり、サンダース候補が3州のうち2州を制しました。とはいえ、代議員数ではご覧のように水を開けられています。サンダース候補には”ザ・デイリー・ショー”の司会者トレバー・ノアといった有名人の援護射撃があったものの、世紀の逆転を勝ち取るのは相当困難でしょう。
カギを握るのは、やはり電子メール問題でしょう。オバマ政権下、米司法省はパグリアーノ氏に刑事責任免除を与えたのです。パグリアーノ氏は刑事責任免除が発効される以前、米国憲法・修正第5条を利用し黙秘権を行使する予定でした。ところが、今となっては捜査に協力して何を話そうが彼が逮捕される危険性はない。そもそも刑事免責が付与されたということは、逮捕されるような行為があったと考えるのが自然です。 米連邦捜査局(FBI)の長官、ジェームズ・コミー氏は共和党員なだけに、捜査のメスの入り具合ではクリントン候補も無傷ではいられないでしょう。
(カバー写真:Michael Vadon/Flickr)
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