New Purchase Demand Pushes Up Mortgage Loan Applications.
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、3月4日週に前週比0.2%上昇の497.3だった。小幅ながら3週ぶりに上昇に転じている。特に新規が4.2%上昇の225.7と、前週の0.6%の低下を補って余りある上昇を示す。ただし借換が2.3%低下の2055.9と、3週連続で押し下げた。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は20.0%上昇し、前週の18.1%から上げ幅を拡大。新規も30.1%の上昇(前週は26.9%の上昇)と伸びを広げつつ、借換は9.8%の上昇(前週は12.5%の上昇)と鈍化しつつ伸びを縮小した。
MBA住宅ローン申請件数指数、直近は借換が弱く全体の重石に。
(作成:My Big Apple NY)
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は3.89%と、前週の3.83%から上昇し4週ぶりの高水準だった。2013年5月以来の低水準を示した2015年1月30日週の 3.79%到達が、後退した格好だ。15年固定金利型(平均)は、前週の3.13%へ3.14%上昇。FHAのローン金利は前週の3.67%から3.71%へ上向いた。
申請全体に占める借換の割合は53.3%と、前週の56.9%から低下した。2009年6月以来の低水準となった2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。
▽米1月卸売在庫、4ヵ月ぶりに増加も売上高は減少トレンド
米1月卸売在庫は前月比0.3%増となり、市場予想の0.2%減に反し増加した。前月の±0%(0.1%減から上方修正)から改善し、3ヵ月ぶりに増加。非耐久財が1.1%増と2ヵ月連続で増加し、特に薬品が3.3%増と5か月連続でプラスに。食品も0.3%増と2ヵ月連続で増加した。反対に耐久財は0.3%減と弱く、そのうちコンピューターが0.2%減と足を引っ張っている。一方で機械は0.2%増と増加に転じ、自動車も1.5%増と3ヵ月連続で増加した。
卸売売上高は1.3%減と、市場予想の0.3%減より下げ幅を広げた。前月の0.6%減(0.3%減から下方修正)を含め、4ヵ月連続で減少。原油を除く場合が0.9%減だったように、耐久財が1.9%減となり、コンピューターが6.4%減と落ち込みが激しい。機械も0.2%減と3ヵ月ぶりに減少に転じ、自動車も0.1%減と前月からマイナスに振れた。非耐久財は0.8%減で、3ヵ月ぶりに減少したものの耐久財ほど下げ幅を示さなかった。石油関連が6.9%減と3ヵ月連続で大幅に落ち込んだほか、薬品も0.2%減と弱い。食品のみ、1.4%増だった。在庫相当は1.35ヵ月で、前月の1.33ヵ月より延びた。前年同期の1.28ヵ月を超え、直近で最長となる。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「薬品を中心に在庫が増加したため、米1-3月期国内総生産(GDP)予想を「従来の2.2%増から2.4%増」へ引き上げた。米10-12月期GDP確報値は、1.0%増で据え置いた。
――MBA住宅ローン申請件数指数は、世界同時株安から一転して株価が上昇し、かつ米2月雇用統計の改善もあって所得見通しに楽観度与えたとみられ、新規が押し上げました。米連邦公開市場委員会(FOMC)の6月利上げ織り込み度も上向いたため、金利上昇懸念から需要を刺激した余地も残ります。
米1月卸売在庫は薬品関係を中心に在庫を押し上げたものの、耐久財は米2月ISM製造業景況指数が分岐点割れを迎えるように弱い。医療保険制度改革(オバマケア)導入の余波から薬品は好調なものの、企業の設備投資が改善する期待値が高いとは言いづらい状況が続きます。
(カバー写真:Scooter Simpson/Flickr)
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