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米1-3月期雇用コスト指数、前期比は良好も前年比が懸念材料

by • May 2, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2079

Employment Cost Index Suggests Slower Wage Growth.

米1-3月期雇用コスト指数と米4月シカゴ購買部協会景気指数をおさらいしていきます。

米1−3月期雇用コスト指数は前期比0.6%の上昇となり、市場予想に並んだ。前期の0.5%(0.6%から下方修正)を超え、2015年7-9月期の水準へ切り返している。内訳をみると、賃金・給与が0.7%上昇し前期の0.5%を超え、2008年4−6月期以来で最高を遂げた1年ぶりの高水準に等しい。代わりに福利厚生は0.5%増と、前期の0.6%(0.7%増から下方修正)を下回り、3期ぶりの低水準だった。

雇用コスト指数は、前年同期比1.9%上昇した。前期までの3期連続の2.0%から鈍化し2014年1-3月期以来の低い伸びにとどまった。民間も2.0%の上昇にとどまり、2014年4-6月期以来の低水準となる。

雇用コスト指数、雇用統計の平均時給とも金融危機前の水準が遠い。

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(作成:My Big Apple NY)

▽米4月シカゴPMI、予想に届かず分岐点割れ接近

米4月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は50.4と、市場予想の52.6を下回った。前月の53.6にも届かなかったものの、分岐点割れした2月の47.6以上を保つ。内訳をみると、ドル高と原油買戻しに支えられながら、前月以下が優勢。新規受注は前月の55.6から51.0、雇用に至っては前月の52.8から47.5へ落ち込み、過去12ヵ月間で10回目の分岐点割れを示す。生産は前月の53.7から54.0と、上昇した。

――雇用コスト指数は、賃金が伸びたとはいえ前年比では直近で最も低い水準にとどまりました。米雇用統計での平均時給と同じく、低空飛行を継続。米1-3月期国内総生産(GDP)速報値で個人消費がさえなかったように、賃金が個人消費の起爆剤となる期待感が薄れつつあります。米4月シカゴPMIで雇用が分岐点割れへ戻すようでは、雇用そのものすら減速する懸念がくすぶります。

(カバー写真:UNclimatechange/Flickr)

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