13463467485_06d8e539dd_z

米新規失業保険申請件数、雇用統計サンプル週に2ヵ月ぶりの低水準

by • June 24, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1527

Jobless Claims Unexpectedly Fall To 2-Month-Low.

米新規失業保険申請件数と、米5月景気先行指数をおさらいしていきます。

米新規失業保険申請件数は米6月雇用統計のサンプル週である6月18日週に25.9件と、予想の27.0万件を下回った。前週の27.7万件から大きく減少し、4 月23日週以来の低水準。カリフォルニア州の申請件数が前週に急増した反動から1万人近くも減少し、全体を押し下げている。米労働省は特殊要因を指摘しなかった一方、30万件割れは68週連続で1973年以来の最長とのコメントを寄せた。4週平均は26万7000件と前週の26万9250件から減少しつつ、1973年以来で最低を示した4月23日週の25万6000件を上回る水準を保つ。

米新規失業保険申請件数、再びレンジ下限へ鞘寄せ。

joblessclaims618
(作成:My Big Apple NY)

6月11日週までの継続受給者数は214.2万人と、前週の216.2万人から減少した。被保険者に占める失業者の割合は前週に続き1.6%、過去最低だった6月4日週の1.5%を上回った。

6月11日週の州別動向は、以下の通り。

(増加が顕著だった州)
・カリフォルニア州 1万8762人増(前週の9038人減から反転)
→サービス産業が牽引
・ペンシルベニア州 6427人増(前週の2049人増と合わせ2週連続で増加)
→事務/サポート/廃棄処理、宿泊/外食、建設、製造業で牽引
・フロリダ州 1769人増
→教育、建設、製造業、卸売、小売、サービスが牽引
・バージニア州 1417人増
→製造業が牽引
・ジョージア州 1287人増(前週の1251人減から反転)
→製造業、事務/サポート/廃棄処理で牽引

(減少が顕著だった州)
・オハイオ州 1101人減(前週は1830人増)
・ミズーリ州 905人減(前週は202人減、2週連続で減少)
・ケンタッキー州 755人減
・オクラホマ州 449人減
・プエルトリコ 356人減

――米新規失業保険申請件数は、米6月雇用統計のサンプル週に減少に転じました。4週平均は26万7000件と、米5月雇用統計の当該週の27万5750件から減少。4月の当該週26万750件を上回りつつ、改善を確認しています。ブルームバーグによると、米6月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は前月比19.0万人増であり、5月から元のレンジを回復する可能性が高まります。

▽米5月景気先行指数は低下、景気後退のサインが点灯?

米5月景気先行指数は前月比0.2%低下の123.7となり、市場予想の0.1%の上昇に反する結果となった。前月は0.6%の上昇だったが、今回は3ヵ月ぶりにマイナスへ落ち込んだ。内訳をみると、5項目が寄与し前月の6項目から減少した。今回は、新規失業保険申請件数と株価指数が低下に転じた。そのほか、平均消費者見通しが4ヵ月連続で低下した。前月に続き、平均労働時間は横ばい。一方で長短金利スプレッドが上昇を継続し全体を引っ張るほか、信用や消費財受注、ISM新規受注が上昇。今回は、航空機を除いた非防衛資本財受注もプラス圏を回復した。

一致指数は±0%の113.5となり、2ヵ月連続で横ばいだった。遅行指数は0.3%上昇の121.9と、上昇トレンドを維持した。

発表元であるカンファレンス・ボードのエコノミスト、アタマン・オジルディリム氏は、結果を受け「今回の低下は、新規失業保険申請件数の増加が背景にある」とのコメントを寄せた。景気先行指数は経済がゆるやかなペースで拡大する見通しを描くものの、「短期的には、金融市場のボラティリティの大幅上昇や労働市場見通しの鈍化が成長の下振れリスク」と指摘。これまでの楽観トーンを後退させた。

――景気先行指数は、リセッションとの関係が深いことで知られます。ドイツ銀行によると、1970年以降で景気後退は7回あり、景気先行指数がピークを打ってから平均で18ヵ月後にリセッション入りしてきたとか。単純に当てはめれば、4月で頭打ちしたと仮定すれば2017年12月頃に景気後退に陥ると試算できます。

lei

(作成:My Big Apple NY)

しかし、項目に軸足を移すとガラリと様相が変わります。10項目中で6項目―平均労働時間、消費者見通し、航空機を除く非防衛財、ISM新規受注、長短金利スプレッド、信用は、16ヵ月前にピークを打っていました。そうなれば、景気後退入りは目前ということになります。アトランタ地区連銀のGDPナウでは、米4~6月期国内総生産(GDP)は6月17日時点で2.8%増ですからリセッションはすぐそこまで迫っているようには見えません。ただし、雇用情勢をはじめ米経済見通しが曇ってきたことは確かと言えるでしょう。

(カバー写真:Bromford/Flickr)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.