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米7月中古住宅成約件数指数、予想以上も前月分が下方修正

by • September 1, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1517

Pending Home Sales Rise, Last Month Number Revised Down.

米7月中古住宅販売成約件数指数、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。

米7月中古住宅販売成約件数指数は前月比1.3%上昇の111.3となり、市場予想の0.7%を上回った。4ヵ月ぶりのマイナスだった前月の0.8%の低下(0.2%の上昇から下方修正)からプラスへ反転。指数ベースでは、4月の115.0に続き2番目の高水準となる。季節調整前の前年比では逆に2.2%低下し、市場予想の2.2%の上昇に反する結果となった。前月の0.7%の低下に続き(0.3%の上昇から下方修正)、2ヵ月連続でマイナスに落ち込んでいる。

4大地域別では、前月比で6月に続き3 地域で上昇。今回は中西部のみ2.9%低下し、前月の0.9%の上昇から転じた。一方で、IT産業を多く抱える西部が7.3%上昇し過去2ヵ月間の低下を完全に相殺。指数ベースでは、約3年ぶりで最高を遂げた。石油生産地が集まる南部は0.8%上昇し4ヵ月連続でプラスを示し、北東部も0.8%上昇し2ヵ月連続でプラスを迎えた。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「在庫不足に直面したものの、7月は多くの地域でゆるやかに持ち直した」と振り返る。しかし引き続き買い手の選択肢は乏しく競争が高い状況は変わらず、「在庫が増加するという条件を満たせば、販売件数が増加することに疑問の余地はほとんどない」と結んだ。

なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1-2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利上昇一服で3週ぶりに上昇

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、8月26日週に前週比2.8%上昇し545.2だった。前週の2.1%の低下から転じ3週ぶりにプラス。借換が3.7%上昇し2441.7だったほか、新規も1.3%上昇の216.1とそれぞれ3週ぶりにプラスへ戻した。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長によるジャクソン・ホール会合の講演まで金利がさほど上昇しなかったため、需要を支えたようだ。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比(季節調整前)は18.6%上昇し、前週の28.1%から伸びを狭めた。新規が4.8%の上昇(前週は7.7%の上昇))、借換も28.3%の上昇(前週は44.5%の上昇)と、それぞれ減速した。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週と変わらず3.67%。1年前の4.08%以下にとどまり、過去3年間で最低近くを保つ。15年固定金利型(平均)は前週の2.95%から2.96%とほぼ変わらなかった。FHAのローン金利も、前週の3.53%から3.54%へわずかに上向くにとどまる。

MBA住宅ローン申請件数指数、金利が落ち着き上昇に反転。

mba
(作成:My Big Apple NY)

申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は63.5%と、前週の62.4%から上昇した。2009年6月以来の低水準である2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。ただし2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。

――米7月中古住宅販売成約件数指数は、市場予想より強含んだとはいえ前月分の下方修正分が反映されたと考えられます。指数が4月の水準以下にとどまるため、中古住宅販売件数は年初来の平均値540万件を上下する推移となる見通し。住宅投資に寄与する公算ながら、MBA住宅ローン申請件数指数が示すように起爆力には欠ける感があります。

(カバー写真:Mike/Flickr)

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