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米9月ミシガン大信頼感・確報値は上方修正、高所得者層が牽引

by • October 3, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1338

Michigan Consumer Confidence Revised Up In September.

米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値、米9月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)をおさらいしていきます。

米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は91.2と、市場予想の90を上回った。速報値並びに前月の89.8から上方修正され、3ヵ月ぶりの高水準。2015年6月年以来のレベルを達成した5月の94.7に近づいた。内訳をみると、現況指数が104.2と速報値の103.5から上方修正。前月の107.0には届かず、2015年10月以来の最低となった。ただし見通し指数が速報値の81.1から82.7へ上方修正されただけでなく、3ヵ月ぶりの高水準。調査期間中は米大統領候補の第1回討論会でCNN報道でクリントン候補の勝利が伝えられた一方、ドイツ銀行の財務不安から浮上する過程にあった。

原油先物が40ドル台で安定推移するなか、1年先のインフレ見通しは速報値の2.3%から2.4%へ上方修正された。もっとも、前月の2.5%を下回り5月の低水準に並ぶ。5~10年先は前月・速報値の2.5%から2.6%へ上昇した。

速報値通り現況指数が低下し、見通し指数が上昇する珍しい結果に。

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(作成:My Big Apple NY)

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け「高所得者層の間でセンチメントの上向きが目立ち、年収7万5000ドル以下では概して横ばい」と振り返る。見通し指数が牽引したものの、購入見通しは芳しくなかったが「割引期待への低下」を挙げた。その上で、2017年半ばにかけては「2.7%増」との見通しを維持。前回は、2016年の個人消費見通しを「2.6%増」としていた。

・1年先の家計見通し指数 126>速報値は125、前月は119と直近で最低
向上する 36>速報値は35、前月は29
変わらず 50<速報値は52、前月は55
悪化する 10=速報値と前月は10

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は86>速報値は80、前月は81
所得の伸びが物価を上回る 22>速報値は20、前月は22
所得の伸び率と物価が同じ 40>速報値は39、前月は36
所得の伸びが物価を下回る 36<速報値は40、前月は41

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 47.6%=速報値は47.6%、前月は46.2%

・1年先のビジネス見通し指数 109、直近で最高>速報値は108、前月は103
向上する 27=速報値は27、前月は22
変わらず 50=速報値は50、前月は54
悪化する 18<速報値は19、前月は19

・1年先の失業率見通し指数 94>速報値と前月は93(低下を見込む場合に上昇)
低下する 20=速報値と前月は20
変わらず 52>速報値と前月は51
上昇する 26<速報値と前月は27

・1年先の金利見通し指数 43<前月は54(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 5<前月は6
変わらず 31<前月は40
上昇する 62>前月は52

・1年先のガソリン価格指数 15.6<速報値は15.8、前月は14.8(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 5>速報値は3、前月は5
変わらず 45<速報値は46、前月は49
上昇する 49<速報値は50、前月は46

・自動車購入指数 135>速報値は133と直近で最低、前月は143
買い時 65>速報値は64、前月は68
分からない 5=速報値は2、前月は4
買い時ではない 30<速報値は31、前月は28

・住宅購入指数 153、直近で最低<速報値は155、前月は159
買い時 76<速報値と前月は78
分からない 1<速報値は2、前月は1
買い時ではない 23>速報値は20、前月は21

・主要機器 158>速報値は155、前月は159
買い時 76>速報値は74、前月は77
分からない 6<速報値は7、前月は5
買い時ではない 18<速報値は19、前月は18

――米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。

1)1年先の家計見通し指数のほか、所得が1年先に拡大するとの回答、1年先のビジネス見通し指数、12ヵ月先の失業率改善見通しが上昇
2)1年先のガソリン価格指数は上昇、1年先金利見通し指数は低下し家計支出の裁量余地低下を見込む
3)購入見通し指数は9月利上げが見送られたものの、住宅と自動車で低下

9月利上げ見通しが後退したとはいえ、12月利上げの選択肢が残るためか自動車や住宅見通しが前月から低下しました。ガソリン価格の上昇や金利が上昇する見通しも強まり、明るい家計見通しと相反する結果となっています。高所得者層の明るい見通しは、米大統領選直前に利上げを控えたことが好感されたのでしょうか。足元は米株に頭打ち感が漂いつつあるため、高所得者層がどこまでセンチメントを牽引できるのか、疑問が残ります。

▽米9月シカゴPMI、原油価格安定も鈍化

米9月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は54.2 と、市場予想の52を上回った。前月の51.5を超え、年初来で最高だった56.8を視野に入れている。原油先物が40~50ドル台で安定的に推移するものの、2014年12月以来で最高を遂げた6月の56.8でいったん頭打ちを示す。内訳をみると、生産が52.5から59.5と1月以来の高水準となり全体を押し上げたほか、新規受注も前月の53.9から54.1、在庫も49.8から50.3と分岐点を回復した。ただし、雇用のみ前回の53.7から49.2と分岐点割れに陥った。

――各連銀製造業景況指数のように、全体的な好転を雇用の不振という影で楽観度を抑えた格好です。米9月ISM製造業景況指数は50.3と、6ヵ月ぶりの分岐点割れだった前月の49.4から改善が見込まれますが、鈍い回復にとどまる見通しです。

(カバー写真:Steven Guzzardi/Flickr)

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