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米9月ISM非製造業景況指数、雇用とともに約1年ぶりの水準へ急伸

by • October 6, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2193

ISM Service Index Surges To One-Year High.

米ISM非製造業景況指数やマークイットが発表した9月の景況感指数をおさらいしていきます。

米9月ISM非製造業景況指数は57.1となり、市場予想の53.0を上回った。2010年2月以来の低水準だった前月の51.4から急伸し、2015年10月以来の高水準を達成。米9月ISM製造業景況指数が6ヵ月ぶりに分岐点割れから回復したが、サービス活動センチメントはそれ以上に楽観度が高まった格好だ。9月に米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを見送ったため金利上昇に歯止めが掛かり、安堵感を誘ったとみられる。

内訳をみると、ビジネス活動や雇用がヘッドラインと同じく約1年ぶりの水準に上振れしたほか、新規受注や在庫関連も急伸した。詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 60.3、2015年10月以来の高水準>前月は51.8、6ヵ月平均は54.9
・新規受注 60.0>前月は51.4と2013年12月以来の低水準、6ヵ月平均は57.6
・雇用 57.2、2015年10月以来の高水準>前月は50.7、6ヵ月平均は52.5

・新規輸出受注 56.5>前月は46.5と2010年8月以来の低水準、6ヵ月平均は52.8
・在庫変化 51.5>前月は48.0と直近で初の分岐点割れ、6ヵ月平均は52.8

▽米9月マークイット製造業PMI確報値、前月から改善

米9月マークイット・サービス業PMI確報値は52.3となり、速報値の51.9から上方修正された。前月の51.0も超え、5ヵ月ぶりの水準を回復。総合指数も52.3と、速報値の52.0から上方修正され前月の51.5を超えた。

クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しで米成長見通しを引き下げた一方で、サービス業PMIの好転は歓迎できる」と指摘した。米経済のモメンタム回復を示唆するものの、「長期的にみて力強く上向くかは不透明」と慎重な見解も寄せる。米大統領選を控え「政治的な不確定要因を抱え、企業は採用活動を鈍化させている」と判断した上で、米9月雇用統計・非農業部門就労者数を「11.5万人増」と予想。米国の追加利上げは、引き続き12月を見込んだ。

ISMとマークイット、そろって前月から改善。
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(作成:My Big Apple NY)

――9月はISM非製造業景況指数とマークイット・サービス業PMI確報値が共に上昇し、雇用にも回復の息吹を感じさせます。金融危機前の高水準に達した米9月消費者信頼感指数米9月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値の上方修正と合わせて、8月のISM非製造業景況指数の落ち込みは利上げ警戒に伴う一時的な減少だったと言えるでしょう。マークイットのエコノミストは基本的に弱気派なので慎重な見解は通常運転ですから、少なくとも米9月雇用統計・NFPは8月の数字を超えてくる期待が膨らみます。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想平均は17.0万人増ですが、果たしてここを超えてくるのでしょうか?

(カバー写真:Andy/Flickr)

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