No iPhone Effect In September Retail Sales.
米9月小売売上高は前月比0.6%増と、市場予想と一致した。前月の0.2%減(0.3%減から上方修正)から増加へ反転。米9月新車販売台数が1700万台を割り込んだ事情を反映した格好だ。自動車を除いた場合も0.5%増となり、市場予想に並ぶ。前月の0.2%減(0.1%減から下方修正)を超え、3ヵ月ぶりに増加した。国内総生産(GDP)の個人消費のうち26%を占めるコア小売売上高(食品サービス、自動車、燃料、建築材を除く)は0.1%増と、前月の0.1%減から改善。ただし米7〜9月期は2%台へ押し返され、米4〜6月期GDPでの個人消費から鈍化する見通しだ。
内訳をみると、主要13カテゴリー中で9項目増加し、前月の4項目を大きく上回った。今回はガソリンスタンドが牽引したほか雑貨、建築/庭園が強い。一方でアップルの新型スマートフォンiPhone7が発売開始を迎えたが前月に続き電気製品が減少し、効果は見られず。そのほかヘルスケア、一般小売が足を引っ張った。項目別の詳細は、以下の通り。
(プラス項目)
・ガソリンスタンド→2.4%増>前月は1.4%減、6ヵ月平均は0.9%増
・雑貨類→1.8%増<前月は0.9%減、6ヵ月平均は0.3%増
・建築材/園芸→1.4%増<前月は0.8%減、6ヵ月平均は±0%
・スポーツ衣料/書籍/趣味→1.4%増>前月は2.5%減、6ヵ月平均は0.1%減
・自動車/部品→1.1%増>前月は0.3%減、6ヵ月平均は0.9%増
・家具→1.0%増<前月は0.5%減、6ヵ月平均は0.3%増
・外食→0.8%増>前月は0.7%増、6ヵ月平均は0.4%増
・非店舗(オンライン含む)→0.3%増<前月は0.1%減、6ヵ月平均は1.0%増
・食品/飲料→0.1%増>前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.2%増
・服飾→±0%>前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.2%増
(*百貨店は0.7%減<前月は0.6%減、6ヵ月平均は0.5%減)
(マイナス項目)
・一般小売→0.4%減>前月は0.4%減、6ヵ月平均は0.3%減
・ヘルスケア→0.5%減<前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.4%増
・電気製品→0.9%減>前月は0.4%増、6ヵ月平均は0.1%減
前年比は、引き続き伸び悩み。
——米8月小売売上高は新車販売台数が弱く、さらにはiPhone 7が発売されたとはいえ電化製品の伸びも力強さに欠け、バークレイズは7~9月期GDPのうち個人消費の予想を従来の2.7%増から2.5%増へ引き下げました。合わせて、従って米7~9月期GDPも2.7%増から2.6%増へ下方修正。GDPは上半期から回復するものの、力強さに欠けるきらいは否めません。
(カバー写真:Neurogadget)
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