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米10月ミシガン大信頼感・確報値、1年ぶり低水準で購入見通しも弱い

by • October 31, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1585

Michigan Consumer Sentiment Remains One-Year Low.

米10月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は87.2と、市場予想の88.2を下回った。速報値の87.9にも届かず。2015年9月以来の低水準に並ぶ。内訳をみると、現況指数が速報値の105.5から103.2と、2015年10月以来の水準へ下振れ。見通し指数は速報値の76.6から76.8へ小幅に上方修正されたとはいえ、前月の82.7から低下し2014年9月以来の水準へ落ち込んだ。米大統領選を間近に控えるほか、米9月雇用統計で就業者数の伸びが明らかとなり、かつ年内利上げが濃厚で金利が上昇したためセンチメントを後退させたとみられる。

原油先物が50ドル付近で安定するなか、1年先インフレ見通しは速報値並びに前月値と変わらず2.4%。5~10年先インフレ見通しも速報値通り前月の2.6%から2.4%と、過去最低を更新した。

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け「米大統領選をめぐる不透明性」を指摘した。回答結果をみると金利上昇への警戒感はそれほど高くない割に、失業率に慎重な見方も浮上するなど詳細はまちまちで、2017年の個人消費見通しを「2.5%増」で据え置き。10月速報値までの予想である2016~2017年で「2.6%増」を下回る水準を維持した。

ミシガン大消費者信頼感、今回は見通し指数ではなく現況指数が重石。
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(作成:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 127、直近で最高>速報値は125、前月は126
向上する 36>速報値は35、前月は36
変わらず 48<速報値は49、前月は50
悪化する 9<速報値は10、前月は10

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は79、3ヵ月ぶり低水準<速報値は80、前月は86と直近で最高
所得の伸びが物価を上回る 19=速報値19、前月は22
所得の伸び率と物価が同じ 39<速報値は40、前月は40
所得の伸びが物価を下回る 40>速報値は39、前月は42

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 47.7%<速報値は46.6%、前月は47.6%

・1年先のビジネス見通し指数 103<速報値は105、前月は109
向上する 23<速報値は24、前月は27
変わらず 51<速報値は52、前月は50
悪化する 20、3ヵ月ぶり高水準>速報値は19、前月は18と直近で最低

・1年先の失業率見通し指数 93<速報値は95と5ヵ月ぶりの高水準、前月は86と直近で最低(低下を見込む場合に上昇)

低下する 20<速報値は21、前月は20
変わらず 51=速報値は51、前月は52
上昇する 27>速報値と前月は26

・1年先の金利見通し指数 48>速報値と前月は47
低下する 6=速報値と前月は8
変わらず 34>速報値は33、前月は30
上昇する 58<速報値は59、前月は61

・1年先のガソリン価格指数 17.4、4ヵ月ぶり高水準>速報値は17.2、前月は15.6(値上がりを見込む場合に指数は上昇)

下落する 3<速報値は4と5ヵ月ぶり低水準、前月は5
変わらず 41<速報値は43、前月は45
上昇する 55、4ヵ月ぶりの高水準>速報値は53、前月は49

・自動車購入指数 135<速報値は136、前月は135
買い時 64<速報値と前月は65
分からない 7>速報値は6、前月は5
買い時ではない 29=速報値は29、前月は30

・住宅購入指数 146、直近で最低<速報値は154、前月は153
買い時 72、直近で最低<速報値と前月は76
分からない 2=速報値は2、前月は1と直近で最低
買い時ではない 26>速報値は22、前月は23

・主要機器 157、直近で最低<速報値は162、前月は158
買い時 76<速報値は78と3ヵ月ぶり高水準、前月は76
分からない 5<速報値は6、前月は6
買い時ではない 19>速報値は16、前月は18

――米10月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。

1)1年先の家計見通し指数 127、直近で最高>速報値は125、前月は126
2)所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数、1年先のビジネス見通し指数、1年先の失業率見通し指数は低下
3)1年先の金利見通し指数、1年先のガソリン価格指数は上昇
4)購入見通し指数は自動車、住宅、主要機器そろって低下。

米10月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は、現況指数が落ち込んでヘッドラインが約1年ぶりの水準へ落ち込みました。詳細をみると、1年先の家計は上昇しており比較的楽観度が高い。その割に1年先の失業率見通しやビジネス見通し、さらに購入見通しが弱含み矛盾が目立ちます。将来への自信に揺らぎがみられ、特に購入見通しの低下はホリデー商戦の売上に直結するだけに頭が痛いところです。

(カバー写真:r2hox/Flickr)

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