Fed Manufacturing Sentiment Stays Positive.
米10月NY連銀製造業景況指数、米10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米10月カンザスシティ連銀製造業景況指数をおさらいしていきます。
米10月NY連銀製造業景況指数(エンパイア)は1.5となり、市場予想のマイナス2.5より強い結果となった。8ヵ月ぶりの水準へ沈んだ前月のマイナス6.8から下げ幅を縮小し、4ヵ月ぶりに分岐点を回復している。項目別では、新規受注や出荷が分岐点を取り戻した。入ただし在庫や雇用などは下げ幅を拡大している。詳細は、以下の通り。
・新規受注 3.1、3ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス5.6、6ヵ月平均は0
・出荷 8.5、3ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス0.6、6ヵ月平均は2.9
・在庫 マイナス23.6、9ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス12.3、6ヵ月平均はマイナス12.8
・雇用 マイナス10.9、5ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス4.7、6ヵ月平均はマイナス5.9
・平均労働時間 マイナス10.9、3ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス10.4、6ヵ月平均はマイナス6.9
・仕入れ価格 15.5<前月は22.6と2014年9月以来で最高、6ヵ月平均は18.0
・販売価格 2.7<前月は4.7、6ヵ月平均1.9
・入荷時間 マイナス5.5、4ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス11.3、6ヵ月平均はマイナス4.5
・受注残 マイナス12.7、7ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス10.4、6ヵ月平均はマイナス11.1
6ヵ月先見通し指数は29.9と、2015年4月以来の高水準だった前月の36を下回った。
▽米10月フィリー、前月から鈍化も詳細は堅調
米10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)は7.6となり、市場予想の7.8を下回った。分岐点を維持しつつ、前月の9.7を下回り2015年1月以来の高水準だった8月の12.8から鈍化を継続している。主要な項目の内訳をみると、新規受注や出荷が上向いたほか雇用も下げ幅を縮小し好結果を示す。ただし仕入れ価格が急伸し、利鞘縮小懸念が強まった。詳細は、以下の通り。
・新規受注 18.6、3ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は16.3、6ヵ月平均は6.3
・出荷 19.5、2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は15.3、6ヵ月平均は6.4
・在庫 13.4、2015年7月以来の分岐点を回復>マイナス12.8、6ヵ月平均はマイナス8.2
・雇用 マイナス2.6、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス4、6ヵ月平均はマイナス7.4
・週当たり平均労働時間 7.4、8ヵ月ぶりの分岐点回復>前げ月はマイナス2.2、6ヵ月平均はマイナス5.8
・受注残 4.1、4ヵ月ぶりに分岐点回復>マイナス0.7、6ヵ月平均はマイナス5.5
・入荷時間 6.1、3ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス0.3、6ヵ月平均はマイナス2.4
・仕入れ価格 27.5、8ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は7、6月平均は18.0
・販売価格 16、2015年12月以来の分岐点乗せ>前月はマイナス、6ヵ月平均は5.6
6ヵ月先見通し指数は29.3と、前月の32.6を下回った。2015年1月以来の高水準を達成した8月の45.8から減速を続けている。
製造業景況指数、ドル高局面でもセンチメントに改善の兆し。
▽米10月カンザスシティ連銀製造業景況指数、前月から鈍化も分岐点を維持
米10月カンザスシティ連銀製造業景況指数は1となり、2014年12月以来の高水準だった前月の6を下回った。ただし、3ヵ月連続で分岐点乗せ。内訳をみると、新規受注に始まり生産、出荷、雇用、平均労働時間などがこぞって低下した。見通し指数は2015年1月以来の高水準を果たした前月の18から、今回は12へ弛んだ。
――全ての製造業景況指数は分岐点を維持し、フィリーはヘッドラインこそ弱かったものの内容自体は決して悪くありません。ドル高をはじめ金利上昇、利上げ局面、米大統領選の直前にも関わらず。健闘したと言えるでしょう。現況指数と裏腹に、懸念材料としてそろって見通し指数が下振れしていました。やはり、金利上昇などといった逆風が製造業の新たな業績圧迫要因として意識されます。ドル高の影響で輸出がダメージを被るリスクも、否定できません。
(カバー写真:Luis Alberto Martinez Riancho/Flickr)
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