Trump’s Cabinet Picks, 3G And More.
遅ればせながら、トランプ次期大統領が指名した閣僚メンバー並びに補佐官の面々を振り返ってみましょう。
以下、閣僚メンバーと大統領継承順位を示します。名前、年齢、指名された役職あるいはトランプ大統領就任後の肩書き、→以下は指名された当時の役職あるいは前職・経歴、それぞれの特徴を表記しました。
<大統領継承順位、閣僚メンバー>
1.マイク・ペンス(57) 副大統領/上院議長 男性 白人
→インディアナ州知事、 ロシアに批判的、中絶反対
2.ポール・ライアン(46) 下院議長 男性 白人
→下院議長(ウィスコンシン、 財政タカ派、2007年にキッコーマンへの感謝決議を提出し成立に導く
3.オリン・ハッチ(82) 上院仮議長 男性 白人
→米上院財政委員長、共和党予備選ではジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事、マルコ・ルビオ上院議員を支持
4.レックス・ティラーソン(64) 国務長官 男性 白人
→エクソン・モービルCEO、エリツィン政権時からプーチン露大統領と親交
5.スティーブン・ムニューチン(54) 財務長官 男性 ユダヤ系
→デューン・キャピタル創設者 GS出身、コーン社長とはマネージング・ディレクターで同期、映画「アバター」などに出資
6.ジェームズ・マティス(66) 国防長官 男性 白人
→元中央軍司令官(中東担当、2010~2013)、マッド・ドッグの渾名で知られるが戦争研究家の一面を持つ
7.ジェフ・セッションズ(69) 司法長官 男性 白人
→不法移民の強制送還に賛成、TPP反対、早くからトランプ支持、議会日本研究グループに所属
8.ライアン・ジンキ(55) 内務長官 男性 白人
→下院議員(モンタナ州) 海軍SEALS出身、マコーネル上院院内総務は2018年に上院出馬を打診する予定だった
8.農務長官 未定
9.ウィルバー・ロス(79) 商務長官 男性 白人
→鉄鋼、繊維、自動車業界の再編にあたる 再建王、クリントン政権に米露投資委員会委員、NYのジャパン・ソサエティ会長、資産29億ドル
10.アンドリュー・パズダー(66) 男性 白人
→CKEレストランCEO 早くからトランプ支持者、2012年共和党大会で代議員、最低賃金引き上げに批判的、CMにビキニ女性を使用し物議醸す
11.トム・プライス(62) 厚生長官 男性 白人
→下院予算委員長、医療保険制度改革(オバマケア)に反対
12.ベン・カーソン(62) 住宅都市開発長官 男性 黒人
→元神経外科医、2016年に共和党予備選出馬、撤退後にトランプ支持
13.イレーン・チャオ(63) 運輸長官 女性 台湾系
→ブッシュ政権で労働長官(2001~09年)、マコーネル上院院内総務の妻
14.リック・ペリー(66) 男性 白人
→前テキサス州知事(2000~15)、 2012年と2016年に米大統領選に出馬、商務省と教育省に並びエネルギー省の廃止を主張
15.ベッツィ・ディボス(58) 女性 白人
→児童活動家、チャーター・スクールを推進する”スクール・チョイス(学校選択)”の議長 、アムウェイ創設者息子の妻、夫の総資産51億ドル
16.退役軍人長官 未定
17.ジョン・ケリー(66) 男性 白人
→元米南方軍司令官、テロや不法移民に取り締まり強化を目指す可能性、アフガニスタン掃討作戦で息子を亡くす
ムニューチン氏とロス氏(左の2人)、2人が今後の米中戦略経済対話の担い手に?
(出所:CNBC)
<その他、大統領補佐官など>
・ ラインス・プリーバス(44) 首席補佐官 男性 白人
→共和党全国委員会委員長、主流派との関係は良好でトランプ陣営とのパイプ役を担う
・スティーブン・バノン(63) 首席戦略官・上級顧問 男性 白人
→保守系メディアのブライトバードCEO、GS出身、金融危機時の銀行救済に批判的
・マイケル・フリン(58) 国家安全保障担当補佐官 男性 白人
→米大統領選挙直前に来日、親ロシア派、「イスラム教徒を脅威に感じるのは妥当」と発言、息子がピザ・ゲート(選挙戦に関わる嘘ニュース問題)で批判受ける
・マイク・ポンぺオ(52) CIA長官 男性 白人
→下院議員(カンザス)、ティーパーティー派、億万長者で共和党支持で知られるコック兄弟との関係深い
・ミック・マルバニー(49) 行政管理予算局 男性 白人
→下院議員(サウスカロライナ) ティーパーティー派で、フリーダム・コーカス創設者の一人
・スコット・プリュット(48)環境保護局長 男性 白人
→オクラホマ州司法長官、温暖化問題反対派の急先鋒
・リンダ・マクマホン(68) 女性 白人
→夫ビンスとプロレス団体WWE創設、夫婦での総資産は12億ドル、コネチカット州の上院議員に出馬し落選
・ニッキ・ヘイリー (44) 国連大使 女性 インド系
→サウスカロライナ州知事、全米で最年少の知事、トランプ不支持だった
・テリー・ブランスタッド(70) 男性、白人
→アイオワ州知事 親中派、習近平とは1985年から付き合い有り
・カール・アイカーン(80) 特別顧問(規制改革) 男性 ユダヤ系
→アイカーン・エンタープライズ創設者 物言う投資家で知られ、アップルに株主還元策を要請、資産165億ドル
・ピーター・ナヴァロ(67) 国家通商会議トップ大統領補佐官と兼務 男性 白人
→ カリフォルニア大学アーバイン校の教授、対中強硬派、選挙中からロス氏と共にトランプ陣営で経済政策を助言
(以上、情報元はMGSSI、JPモルガン、各種報道、ウィキペディア)
いかがでしたか?3G政権と呼ばれる通りGS出身者はムニューチン氏、バノン氏、コーン氏の3人、軍人出身者はマデン氏、ケリー氏、フリン氏の3人(General)、億万長者はアイカーン氏、ロス氏、ディボス氏、マクマホン氏の4人がキラ星のごとく並びます。特に閣僚メンバー並びに補佐官、特別顧問などを含めた総資産は新たに指名されたアイカーン氏が押し上げ約300億ドルに上るのですね。米国史上で最も裕福な政権と言えるでしょう。
また閣僚メンバーのうち女性は2人、黒人は1人のみで白人男性が圧倒的です。共和党の重鎮あるいは主流派で指導的立場にある人物の名前を確認できない半面、ティーパーティー派や超保守派は少なくとも4人並びました。そのほか親中派と中国強硬派が並ぶなど、ある意味でバランスがとれた布陣でもあります。日本企業221社進出するインディアナ州のペンス知事を含めウィルバー・ロス氏、ジェフ・セッションズ米上院議員など意外に親日・知日派が多い点は心強いですね。
(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)
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