Holiday Shopping Didn’t Lift Retail Sales In December.
米12月小売売上高は前月比0.6%増と、市場予想の0.7%増を下回った。とはいえ、前月の0.1%増を合わせ4ヵ月連続で増加している。米12月新車販売台数がインセンティブ拡大を追い風に快進撃を遂げたため全体を押し上げたものの、自動車を除いた場合は0.2%増となり市場予想の0.5%増に届かず。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は0.2%増と前月の0.1%増を超え6ヵ月連続で増加も、市場予想の0.4%増を下回った。ブラックフライデーやサイバーマンデーなどオンライン売上高は好調と報じられたが、ホリデー商戦では年明け早々に百貨店メイシーズがリストラを決定した通り、店舗での売上が芳しくない。米10〜12月期GDPの個人消費は2%半ばが予想され、前期の3%乗せから減速する見通しだ。
内訳をみると、主要13カテゴリー中で7項目増加し、前月の11項目を下回った。今回は自動車/部品やガソリンスタンドが牽引し、オンライン売上高が好調ぶりが表すように非店舗も強い。その陰で雑貨や外食、一般小売などが減少している。項目別の詳細は、以下の通り。
(プラス項目)
・自動車/部品→2.4%増>前月は0.2%減、6ヵ月平均は1.0%増
・ガソリンスタンド→2.0%増>前月は±0%、6ヵ月平均は1.4%増
・非店舗(オンライン含む)→1.3%増>前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.9%増
・建築材/園芸→0.5%増<前月は0.6%増、6ヵ月平均は0.5%増
・家具→0.5%増>前月は±0%、6ヵ月平均は0.4%増
・ヘルスケア→0.3%増=前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.2%増
・スポーツ衣料/書籍/趣味→0.2%増>前月は1.4%減、6ヵ月平均は0.6%減
・服飾→±0%=前月は±0%、6ヵ月平均は0.1%増
(マイナス項目)
・雑貨類→1.0%減<前月は±0%、6ヵ月平均は0.5%増
・外食→0.8%減<前月は1.2%増、6ヵ月平均は0.3%増
・一般小売→0.5%減<前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.2%減
(*百貨店は0.6%減<前月は0.2%減、6ヵ月平均は0.7%減)
・電気製品→0.5%減<前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.6%減
・食品/飲料→0.3%減<前月は±0%、6ヵ月平均は0.3%増
前年比は、コントロール売上高の勢いに陰り。
――米大統領選後に消費者センチメントが急伸した割に、実体経済を表す数字はさえません。暖冬や値引きが影響したとはいえ自動車や非店舗や住宅関連以外は減少が目立ち、トランプノミクスを先取りし個人が財布の紐を緩めることはありませんでした。アトランタ連銀は10日時点で米10~12月期GDP予測値を2.9%増としていたものの、下方修正の可能性が漂います。バークレイズは米12月小売売上高後に米10~12月期GDP予想を据え置いたとはいえ、2.1%増でしたから引き下げの必要がなかったのでしょう。
(カバー写真:Andrew Dallos/Flickr)
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