Pending Home Sales Index Rebounds Despite Higher Rates.
米12月中古住宅販売成約件数指数と、米1月ダラス連銀製造業景況指数をおさらいしていきます。
米12月中古住宅販売成約件数指数は前月比1.6%上昇の109.0となり、市場予想の0.5%を上回った。前月の2.5%の低下から転じ、過去6ヵ月間で4回目のプラスとなる。季節調整前の前年比では2.0%低下し、前月の1.4%の上昇から転じ5ヵ月ぶりに低下した。
4大地域別では、前月比にて2地域で上昇し前月と変わらず。特にIT産業が多い西部が5.0%上昇し前月の6.7%の低下をほぼ補い、住宅市場規模が最も大きい南部も2.4%上昇(3ヵ月ぶりにプラス)している。一方で中西部も0.8%低下し、2ヵ月連続でマイナス。北東部は1.6%低下し、3ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んだ。
発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「2017年動向は在庫がカギを握る」と予想する。足元の在庫は「レンジ上限にある」といい、金利上昇局面ながら25万ドル以上の住宅販売件数は12月に前年比10%増、10万~25万ドルも2.3%増とそれぞれ増加していた。2016年の中古住宅販売件数は前年比3.8%増の545万件と。2006年以来の高水準を達成した。住宅価格は前年比5.2%上昇しあという。2017年の中古住宅販売件数は1.7%増の554万件、住宅価格は4%の上昇を見込む。住宅着工件数は7.9%増の126万件を予想、2016年は116万件だった。
なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1~2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。
▽米1月ダラス連銀製造業景況指数は7年ぶりの高水準、製造業景況指数の星取表は?
米1月ダラス連銀製造業景況指数は22.1となり、市場予想の15を上回った。前月の17.7も超え、2010年4月以来の水準へ急伸している。原油価格が2015年7月以来の53ドル台を回復するに合わせ、4ヵ月連続で分岐点に乗せた。
項目別では新規受注をはじめ出荷、設備投資が力強い伸びを示した。雇用は前月から分岐点を回復し、賃金や平均労働時間も前月から上昇。販売価格や仕入れ価格も、ともに上向いた。生産が前月を下回った程度で分岐点を維持し、全体的にヘッドライン通り良好な数字を示す。
6ヵ月見通しは43.7と、前月の42.5を超え2004年12月以来の高水準を果たした。項目別では新規受注や出荷、雇用や平均労働時間などが上向き、エネルギー企業がひしめくダラス連銀管轄の企業の間で見通しに明るさが増した。
――製造業景況指数が一通り公表されたので、星取表を確認していきましょう。
・NY連銀製造業景況指数
6.5<前月は9、8ヵ月ぶりの高水準
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
23.6、2014年11月以来の高水準>前月は19.7
・カンザスシティ連銀製造業景況指数
9、2014年11月以来の高水準=前月は9
・リッチモンド連銀製造業景況指数
12、2014年10月以来の高水準>前月は8
製造業景況指数、12月に続き2014年11月以来で初めて5地区連銀全てが分岐点乗せ。
――原油価格が2015年7月以来の53ドル台を回復し、各連銀の製造業景況指数はNY連銀がゆるんだとはいえそろって改善しました。少なくとも原油安が幕開けした2014年後半の水準へ切り返し、インフラ投資推進を目指した環境精査をめぐる規制撤廃を盛り込んだ米大統領令も重なり、楽観的な見通しが広がりつつあります。ブルームバーグのエコノミスト平均では、米1月ISM製造業景況指数は55.1と2014年12月以来の上振れが場合によってはここを超えるか注目。製造業センチメントがさらに上昇するか、今後は政権が期待に応えるかどうかが問題です。難民受け入れ停止など保護主義的な政策が米企業の雇用を圧迫し、かつ各国間の貿易障害となるかが要注意でしょう。
(カバー写真:deovolenti/Flickr)
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