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バロンズ:トランプ政権、オバマケア代替案撤回を経て税制改革に注力へ

by • March 26, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off575

Barron’s : Trump Moves On To Tax Reform After Health Care Setback.

今週のバロンズ誌は、カバーに世界のベスト最高経営責任者30人のランキングを掲げる。2017年版に初登場したのは、ゼネラル・モーターズ(GM)のマリー・バーラ氏で表紙にも取り上げた。そのほか今年のランキングにはアプライド・マテリアルズのゲイリー・ディッカーソン氏、ユナイテッドヘルスのスティーブン・ヘムズリー氏など8名が新たに加わったという。昨年に続きランクインしたCEOはLVMHのベルナール・アルノー氏、アマゾンのジェフ・ベゾズ氏、バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット氏、JPモルガンのジェイミー・ダイモン氏、スターバックスのハワード・シュルツ氏など22名。圏外に落ちたのはエアバスのトーマス・エンダース氏やナイキのマーク・パーカー氏、アンダーアーマーのケビン・プランク氏などの名前が並んだ。詳細は、本誌をご覧下さい。

当サイトが定点観測するアップ・アンド・ダウン・ウォールストリート、今週はもちろんオバマケア撤廃・代替案の採決を撤回した後のトランプ政権と共和党の政策を模索する。抄訳は、以下の通り。

血まみれトランプの次の戦いは、税制改革=A Bloodied Trump’s Next Battle: Tax Reform.

トランプ米大統領は、ヘルスケア改革がここまで複雑だと想定していなかっただろう。共和党は医療保険制度改革(オバマケア)に60回以上も反対してきたが、同代替案である米国医療保険法(American Health Care Act、略してAHCA)の通過に必要な票を確保できず採決撤回を余儀なくされた。

ニュースを受けヘルスケア関連株が下落したが、真の問題は成長の柱となる税制改革への影響だろう。同時に、AHCAが立ち消えになりオバマケア存続が決定したことで年収20万ドル(夫婦で25万ドル)の世帯には配当、キャピタルゲイン、金利収入に対する高齢者向け公的医療保険(メディケア)税率3.8%の廃止も先送りされた。

ワシントンとウォール街は、AHCAの廃案は共和党の敗北とみなす。ある者は、トランプ氏が選挙公約に掲げたオバマケア撤廃・代替案が失敗に終わったため”不名誉な後退”と呼ぶ。

画像:トランプ米大統領の支持率は直近で42.7%と、政権発足後で最低に。

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(出所:Realclearpolitics)

しかしR.J.オブライエン・アンド・アソシエーツのマネージング・ディレクター、ジョン・ブレイディ氏はオバマケアが現状で崩壊しつつあるなかで、共和党がなぜ撤廃させねばならないのかと問い掛ける。そもそも汚点は民主党にあり2018年の中間選挙を控えオバマケアの状況は一段と悪化する見通しで、解決案を提供すべきは成立させた民主党であるためだ。

米大統領選挙後、米株はインフラ投資や税制改革、規制緩和など成長加速につながる政策への期待から10%上昇してきた。とはいえ、トランプ大統領の存在は米株が上昇した理由の半分を占めるに過ぎない。企業利益が堅調に伸びているためで、ジェローム・レヴィ・フォーキャスティング・センターのデビッド・レヴィ氏によれば1〜3月期の企業利益は「この1年で最も華やかなニュースになる」という。また在庫投資や設備投資にも、回復の芽が伸びてきた。

しかし、レヴィ氏いわく「減税なしでは」夏頃に業績は鈍化する可能性がある。それというのも「金利上昇とドル高が住宅市場と輸出の伸びを抑制する」ためだ。

AHCAの破棄によって、次の主戦場が税制改革が次の優先課題であることは間違いない。そのほか、ニール・ゴーサッチ最高判事候補の指名承認を予定する。4月28日には暫定予算が期限切れを迎え、取り纏めに失敗すれば2013年秋のように政府機関に直面する見通しだ。夏頃には、再び債務上限引き上げ問題が熱を帯びるだろう。

一連の議論で、金利上昇を促すことは回避すべきだろう。低金利環境を背景に、米企業は社債を発行してきた。バンク・オブ・アメリカの債券アナリストによると、社債発行の目的は年金プログラムに及んだという。特に、年金給付保証公社(PGBC)が2015年に保険料率を引き上げたため、高格付けの企業にとって社債発行で年金不足を補う方がリーズナブルになった。

年金コンサルタントのミリマンによると、高格付け企業の7%しか年金向けの資金を100%確保しておらず、90〜100%を充当する企業は14%程度だった。年金向けの資金を調達するため、社債を発行する企業が増えてもおかしくない。社債を発行する年金は、利回りに着目し社債に投資する側でもある。恐らく社債の需要と供給は、バランスされるのではないか。年金運用では低金利が問題となるが、企業は低金利を活用して課題を解決しつつある。

——共和党がオバマケア撤廃・代替案で一致団結できず、税制改革では国境調整税では意見対立に直面し”ねじれ”が解消した後も問題は山積みです。特に、AHDCを廃案に追い込むため暗躍したコーク兄弟は国境調整税にも難色を示す。保守強硬派のフリーダム・コーカス以外にも存在感をみせつけるなか、トランプ政権に難局が次々に襲いかかること必至です。ただ、幸いトランプ支持者はAHDC採決撤回の主犯としてトランプ政権を槍玉に挙げていません。足元で支持率は低下中ながら、鉄壁の40%割れが限定的となるか要チェックです。

(カバー写真:Giuseppe Milo/Flickr)

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