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米1~3月期決算、EPS伸び率は2011年Q4以来の高水準へ

by • March 27, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1931

Q1 Earnings Will Be Buoyed By Energy Sector.

季節はめぐり、早くも米1~3月期決算シーズンが近づいてきました。

2014年6月から開始した原油先物の下落が2016年2月で底打ちした後に買い戻され、米国の企業業績は改善をたどる公算です。ファクトセットによると、米1~3月期のS&P500を構成する企業の1株当たり利益(EPS)は前年同期比9.1%増となり、実現すれば2011年10~12月期以来で最大を記録する見通し。さらに、3期連続での増益は2014年7~9月期から2015年1~3月期以来となります。

11セクター別の動向では、前年同期比で8セクターが増益となる予想が出ました。1位のエネルギーは、赤字から黒字に転換したため表示なしとなっています。

2位 金融 14.8%増
3位 IT 13.2%増
4位 素材 11.0%増
5位 不動産 6.8%増

6位 公益 3.0%増
7位 生活必需品 1.6%増
8位 ヘルスケア 0.4%増
9位 一般消費財 1.6%減
10位 通信 2.2%減
11位 産業財 7.0%減

産業が引き続き重石となっていますが、特に燃料価格の下落を受けサーチャージ分の収入が得られなかった航空関連のEPSが52%も落ち込んでいました。航空関連を除く産業のEPSは、7.0%減から0.5%減へ縮小するといいます。

画像:S&P500、決算シーズンをテコ入れに50日移動平均線を死守する?

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(出所:Stockcharts)

売上高は1~3月期に前年同期比7.2%増と、こちらも2011年10~12月期に8.1%増に次ぐ水準へ拡大する見通しです。3期連続での増収は、2014年4~6月期から同年10~12月期以来に。原油価格の下落がいかに業績を押し下げていたかが伺えますね。

11セクター別での予想値は、以下の通り。通信を除く全てが増収を果たす見通しで、特にエネルギーの伸びが突出しています。

1位 エネルギー 35.8%増
2位 IT 8.5%増
3位 公益 8.3%増
4位 金融 7.2%増
5位 裁量消費財 6.6%増

6位 ヘルスケア 5.6%増
7位 素材 5.3%増
8位 不動産 2.6%増
9位 産業財 2.4%増
10位 生活必需品 2.2%増
11位 通信 1.6%減

売上で最下位の通信は大手4社のうち最大手のベライゾンが4%減と全体の足を引っ張る見通しで、別の1社も減収が見込まれています。価格競争の激化並びに加入者数の鈍化もあって、大手を中心に通信の収入に再び下方圧力が加わってきました。

1~3月期のEPS予想を発表した111社のうち79社、全体の71%が予想以下に終わりました。ただし、5年平均の74%を下回るため悲観視する必要はなさそうです。

S&P500の12ヵ月先の株価収益率(PER)は、17.5倍でした。5年平均の15.0倍、10年平均の13.9倍を上回っただけでなく1~3月期入りの16.8倍からも上昇し、過熱感は禁じ得ません。

(カバー写真:Wally Gobetz/Flickr)

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