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米6月ミシガン大信頼感・確報値、大統領選後の上昇を完全に相殺

by • July 4, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1170

Michigan Consumer Confidence Erases Gains After The Presidential Election.

米6月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は95.1と、市場予想の並びに速報値の94.5を上回った。ただトランプ米大統領と既存のニュースメディアとの間で生じた軋轢が大きくなり、医療保険制度改革(オバマケア)代替案移行の足並みがそろわないなか、米大統領選後の上昇を打ち消し2016年10月以来の低水準。2000年10月以来の水準を達成した1月の98.5を下回ったままだ。内訳をみると、現況指数が112.5と、3ヵ月ぶり低水準だった前月の111.7から改善した。見通し指数は逆に83.9と、ヘッドラインと同じく米大統領選後の上昇を相殺した。

原油先物が50ドル割れを維持するものの、1年先インフレ見通しは前月通り2.6%となる。5~10年先インフレ見通しは2.5%と、前月の2.4%から上方修正した。

ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は、今回の結果を受け「米大統領選後の上昇を帳消しとしたものの、引き続き力強い水準を維持している」と楽観的だ。2017年前半の数字は「平均値で96.8と、2000年下半期以来で最高だった」という。カーティン氏が問題視していた超党派の乖離は縮小傾向にあり「共和党寄りは95.7、民主党寄りは94.6」にとどまった。これに対し、カーティン氏は「トランプ政権が目指していたオバマケア代替案移行や税制改革が年内に成立する見通しは後退したものの、共和党や民主党と関わらず見通し指数の低下は限定的だった」と驚きを持って受け入れている。その結果、米大統領選後の上昇を打ち消したものの、2017年の個人消費見通しは「2.3%」で維持した。1月時点の2.7%増を下回るものの、底堅い水準を見込む。

ミシガン大学消費者信頼感、現況指数が引き続き牽引。

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(作成:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 132>速報値は129、前月は132
向上する 42、直近で最高=速報値は42、前月は41
変わらず 45=速報値は45、前月は44
悪化する 10=速報値は10、前月は12、直近で最高

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数は 87>速報値は85、前月は93と直近で最高
所得の伸びが物価を上回る 23=速報値は23、前月は27、直近で最高
所得の伸び率と物価が同じ 40<速報値は38、前月は38
所得の伸びが物価を下回る 36<速報値は38と直近で最高、前月は34

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 50.9%、3ヵ月ぶりの高水準<速報値は49.8%、前月は50.1%

・1年先のビジネス見通し指数 105、直近で最低<速報値は106、前月は117
向上する 32、直近で最低=速報値は32、前月は40
変わらず 39<速報値は40と直近で最高、前月は36
悪化する 27、直近で最高>速報値は26、前月は23

・米国は向こう1年先も良好な状況を継続する 110、直近で最低<速報値は111、前月は119
良好 48、直近で最低=速報値は48、前月は53
不透明 3>速報値は2、前月は3
困難 38、直近で最大>速報値は37、前月は34

・1年先の失業率見通し指数 103=速報値は103、前月は34(低下を見込む場合に上昇)
低下する 29、直近で最低<速報値は31、前月は30
変わらず 44>速報値は41、前月は44
上昇する 26<速報値は28と直近で最高前月は25

・1年先の金利見通し指数 31=速報値は31、前月は34(金利低下を見込む場合指数は上昇)
低下する 6=速報値は6、前月は7
変わらず 18=速報値は18、前月は18
上昇する 75=速報値は75、前月は73

・1年先のガソリン価格 12<速報値は14、前月は11と直近で最低(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 5=速報値は5、前月は5
変わらず 45>速報値は44、前月は46
上昇する 49>速報値は50、前月は48

・政府が失業率とインフレの両面で十分対応できる 84>速報値は81と直近で最低、前月は92(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
十分対応できる 19>速報値は17と直近で最低、前月は24
普通 43<速報値は45、前月は41
まずい対応にとどまる 35<速報値は36と直近で最高、前月は32

・自動車購入指数 141>速報値は140、前月は135と直近で最低
買い時 65、直近で最低=速報値は65、前月は73と直近で最高
分からない 5>速報値は4と直近で最低、前月は6
買い時ではない 30<速報値は31と直近で最高、前月は21と直近で最低

・住宅購入指数 143、直近で最低<速報値は148、前月は145
買い時 70<速報値は70、直近で最低、前月は76と直近で最高
分からない 1、直近で最低<速報値は2、前月は3と直近で最高
買い時ではない 28、直近で最高>前月は21

・主要機器 161>速報値は158と直近で最低、前月は164
買い時 76>速報値は75と直近で最低、前月は79
分からない 7>速報値は6、前月は5と直近で最低
買い時ではない 15<速報値は17と直近で最高、前月は15

――米5月ミシガン大学消費者信頼感指数のポイントは、以下の通りです。

1)1年先の家計見通し指数、所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数の回答は上昇、政府が失業率とインフレの両面で十分対応できるも上昇したが速報値からみると改善も前月比では弱い

2)所得が1年先に拡大する、米国は向こう1年先も良好な状況を継続する、1年先のビジネス見通し指数の回答は低下

3)1年先の失業率見通し指数は横ばい

4)1年先の金利見通し指数は上昇を見込む半面、1年先のガソリン価格は横ばいを予想、インフレ見通しは1年先が前月から横ばい、5~10年先は前月から上方修正。

5)購入見通しは自動車と主要機器が上昇したものの、住宅は直近で最低。

見通し指数が弱かったように、「1年先のビジネス見通し」が「米国は向こう1年先も良好な状況を継続する」が直近で最低でした。「政府が失業率とインフレの両面で十分対応できる」も速報値から上方修正されたとはいえ、直近で最低に変わりありません。購入見通しが改善したものの、住宅購入見通しも直近で最低を更新。ミシガン大学消費者信頼感指数は全体的に高水準にあることは間違いないとはいうものの、鈍化は免れなさそうです。

(カバー写真:Jazz Guy/Flickr)

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