Retail Sales Decrease Two Consecutive Months, CPI Slows.
米6月小売売上高は前月比0.2%減と、市場予想の0.1%増に反する結果となった。前月の0.1%減(0.3%減から上方修正)を含め、2ヵ月連続で減少。米6月新車販売台数で日系自動車が増加していたように、自動車は小幅改善している。ただし、自動車を除いた場合も0.2%減と、市場予想の0.1%増を下回り前月の0.3%減に続き2ヵ月連続で減少した。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は前月比0.1%減と、前月の±0%より弱く4ヵ月ぶりに減少している。
内訳をみると、主要13カテゴリー中で7項目がプラスとなり前月の6項目から増加した。今回は建築材/園芸、3ヵ月連続で非店舗、一般小売、ヘルスケアなどが支えた。一方で雑貨のほかガソリンスタンド、スポーツ、外食が弱い。項目別の詳細は、以下の通り。
(プラス項目)
・建築材/園芸→0.5%増<前月は0.6%減、6ヵ月平均は0.4%増
・非店舗(オンライン含む)→0.4%増<前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.7%増
・一般小売→0.4%増<前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.7%増
(*百貨店は0.7%減>前月は0.8%減、6ヵ月平均は±0%)
・ヘルスケア→0.3%増>前月は0.2%増、6ヵ月平均は0.3%増
・家具→0.1%増=前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.6%増
・自動車/部品→0.1%増<前月は0.9%増、6ヵ月平均は0.3%減
・電気製品→0.1%増>前月は1.3%減、6ヵ月平均は0.6%増
(マイナス項目)
・服飾→0.1%減>前月は0.2%減、6ヵ月平均は±0%
・食品/飲料→0.4%減<前月は0.1%増、6ヵ月平均は0.2%増
・外食→0.6%減<前月は0.4%増、6ヵ月平均は0.2%増
・スポーツ用品/書籍/趣味→0.6%減<前月は0.4%増、6ヵ月平均は0.2%増
・ガソリンスタンド→1.3%減>前月は3.0%減、6ヵ月平均は0.6%減
・雑貨→3.1%減<前月は0.7%減、6ヵ月平均は0.3%減
実質と合わせ、消費は鈍化トレンドを維持。
▽米6月CPI、鈍化傾向が鮮明でコアは前年比で約2年ぶり低水準を維持
米6月消費者物価指数(CPI)は前月比±0%となり、市場予想の0.1%以下にとどまった。前月(0.1%の低下)に続くマイナスは回避している。原油先物が50ドル割れを続けるなかエネルギーが1.6%低下、ガソリン価格も0.4%低下しそろって2ヵ月連続でマイナスに。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は6月に一時2.414ドルから2.288ドルまで下落、年初来で最低を示していた。一方で、食品・飲料は±0%と増加基調を5ヵ月で止めた。
CPIコアは前月比0.1%上昇し前月と変わらず、市場予想の0.2%を下回った。項目別では、サービスが0.2%上昇し3ヵ月連続でプラスを示した。帰属家賃が0.3%上昇しプラス圏を維持したほか、医療費が0.4%上昇、パソコンで0.7%上昇した程度と上昇項目は限定的となる。輸送が0.7%落ち込み、中古車が0.7%の低下と5ヵ月連続でマイナスを示したほか、新車も0.3%の低下とマイナス基調を維持している。航空運賃は2.7%と大幅に沈んだ。服飾も0.1%と4ヵ月連続で低下し、娯楽も0.1%の低下と前月の横ばいからマイナスへ転じた。
CPIは前年比で1.6%上昇し、市場予想の1.7%を下回った。前月の1.9%にも届かず、2016年10月以来の低水準。2011年8月以来の高水準を示した2月の2.7%から遠ざかりつつある。コアCPIは1.7%上昇、市場予想並びに前月と一致し2015年5月以来の低水準を保った。
CPI、エネルギー以外でも鈍化が顕著に。
――米6月CPIで確認した通りインフレが鈍化しているにも関わらず、小売売上高は6月も不振続きとなりました。NY連銀は米4~6月期GDP予測値を従来の1.96%増→1.9%増、アトランタ地区連銀も従来の2.6%増→2.4%増へ下方修正しています。頼みの個人消費がこの調子だと、3%成長は遠い夢でしかないようです。
(カバー写真:Michael Heiland/Flickr)
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