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米7月耐久財受注、航空機が押し下げもコア資本財が力強く

by • August 28, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1525

Economists See Brighter Q3 GDP Outlook With Stronger Capital Goods.

米7月耐久財受注、米8月マークイット総合PMI速報値をおさらいしていきます。

米7月耐久財受注は前月比6.8%減となり、市場予想の6.0%減を下回った。前月の6.4%増を完全に打消し、過去4ヵ月間で2回目のマイナス。減少率としては、2014年8月以来で最大だった。

内訳をみると、輸送用機器を除く耐久財は0.5%増と、市場予想の0.4%増を超えた。前月の0.1%増も上回り、3ヵ月連続で増加している。輸送用機器は19.0%減と前月の19.1%増をほぼ相殺。民間航空機が70.7%減と押し下げたためで、自動車も1.2%減と2ヵ月連続で減少していた。防衛財は47.8%増、前月の5.6%増と合わせ2ヵ月連続で増加し、5月の34.3%減を帳消しとした。企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財は0.4%増と、市場予想と一致。前月の±0%から改善した。

耐久財出荷は前月比0.4%増となり、前月の±0%を上回った。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷は1.0%増と、市場予想の0.2%増を上回った。前月も0.1%増から0.6%増へ上方修正されただけでなく、7月の伸びは5ヵ月ぶりの高水準で6ヵ月連続で増加した。

前年比では、輸送を除いた耐久財受注をはじめコア資本財の受注と出荷ともに回復。

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(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は0.3%増となり、前月の0.5%増(0.4%増から上方修正)を含め7ヵ月連続で増加した。在庫の伸びが出荷とほぼ変わらず、在庫相当は前月と変わらず1.68ヵ月だった。

――耐久財受注はヘッドラインこそ大幅減でしたが、コア資本財を中心に力強さを確認しました。バークレイズは米7~9月期GDP予想値を従来の2.5%増から2.7%増へ上方修正し、JPモルガンも「米7~9月期GDP予想値の2.25%を上回るリスクが出てきた」と指摘しています。

ただし、地区連銀は米7~9月期GDP予測値を下方修正しています。アトランタ地区連銀は25日までの経済指標を受け従来の3.8%増から3.4%増NY地区連銀も2.1%増から1.9%増へ引き下げました。耐久財受注が力強かったとはいえ民間投資のうち構築物投資、在庫投資、住宅指標、さらには個人消費が下方修正されたためです。米7~9月期GDP伸び率が仮に前期通りNY地区連銀の趨勢が正しいのであれば、2%付近の成長が関の山となりそうです。

▽米8月マークイット総合PMI速報値、2015年4月以来の高水準も製造業は軟調

米8月マークイット製造業PMI・速報値は52.5となり、市場予想の53.5を下回った。2015年9月以来の水準へ上昇した前月の53.3に届かず。とはいえ、金融危機以前の平均値54.1にはまだ距離を残す。

米8月マークイット・サービス業PMI・速報値は56.9となり、市場予想の55.0を上回った。前月の54.7を超え、2015年4月以来の高水準。製造業と合わせた総合指数は56.0と、前月の54.6から上昇し2015年4月以来の水準へ上振れした。

マークイットの製造業とサービス業のPMI、15年9月以来の水準へ上昇。

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(作成:My Big Apple NY)

マークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「米経済の成長ストーリーは明暗が分かれ、サービス業で活動拡大を確認したものの製造業は低迷していた」と振り返る。とはいえ、新規受注や雇用が上向いているため「米7~9月期成長率は前期を上回る見通し」。一つ弱い材料があるとすれば「輸出」だという。

(カバー写真:jmarello/Flickr)

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