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バロンズ:米株、9月に波乱の予感

by • September 3, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1169

Barron’s : Stock Market Could Be In Turmoil In September.

バロンズ誌、今週のカバーは「How This Bull Market Will End」——強気相場がいかに終焉を迎えるかに注目する。2009年3月9日に突入した強気相場は8年半を迎え、S&P500は足元では265%も上昇した。しかし、現状は米国が金融政策の正常化に取り掛かり、世界は地政学的リスクでみれば混乱状態にあり、何より株価は割高だ。これまで米株安に見舞われたケースでは、押し目買いの機会を与えたものである。2014年の年初にS&P500は7.4%安、2015年8月には6日で11%安、2016年の年初30日に11%安を迎えた時が、それにあたる。しかし、景気後退を伴えば注意が必要だ。フィラデルフィア地区連銀一致経済活動指数は7月に36と、5月の68から急低下し景気後退が近づいたサインを点灯させている。来るべき時にはどのように備えればよいのか、詳細は本誌をご覧下さい。

当サイトが定点観測する名物コラム、アップ・アンド・ダウン・ウォールストリートでは、デイリー版で米株安に警鐘を鳴らす。抄訳は、以下の通り。

9月に直撃する米株の急落に備えよ—Ready? September Could Torpedo Stocks.

相場の諺には”5月に売り逃げ、セント・レジャー・ステークス に買い戻せ”というものがある。セント・レジャー・ステークスとは、英国で9月半ばに開催され日本の菊花賞にあたるレースだ。英国貴族のドラマ”ダウントン・アビー”に登場しそうな有名レースは今年、9月16日に開催されるため、諺に忠実でいるならば買い場まであと2週間待たねばならない。

しかし、ルネッサンス・マクロ・リサーチのジェフ・デグラーフ氏いわく「9月は統計的にネガティブ・リターンを叩き出す月」だ。1962年以降、9月のS&P500リターン平均は0.67%安と最悪であり、続いて6月は0.33%安、8月は0.09%安、5月が0.04%安を示す。ストック・トレーダース・アルマナックでも9月は米株にとって最悪な年と位置づけられ、S&P500のリターンは1950年以降で0.5%安ダウで0.8%安だ。ナスダックは1971年以降で0.5%安、中小型株指数のラッセル2000は1979年以降で同じく0.5%安となる。また、9月は過去22年間のうち13回にわたって力強くスタートしたが、以降は失速するケースが多い。9月と言えば、同時多発テロ事件やリーマン・ブラザーズの破綻などが思い出されよう。

S&P500、再び最高値に迫りつつありますが・・。

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(出所:Stockcharts)

テクニカル的に言えば、9月は22日に”ギャン・デー”、すなわち著名なテクニカル・アナリストであるW・D・ギャン氏が米株、米債、為替、商品に関わらず重要な高値あるいは安値をつける日がやって来る。過去にバロンズ誌がポール・マクレー・モントゴメリー氏の指摘を紹介したように、1929年にダウ公益指数(当時公益株はグロース株だった)は9月22日にピークアウトし、翌月には大暴落を迎えた例が有名だ。1979年9月には金鉱株がピークをつけ、1980年1月に金が高値をつけるに至った。

為替も、例に漏れない。1931年9月21日に英国が金本位制を終了し公務員の減俸を決定した折には、ポンドが急落した。1985年9月22日には、プラザ合意で過度なドル高是正を決定したものだ。

もう一つ、相場の格言を紹介するならば”ロシュ・ハシャナ(ユダヤの新年、9月後半〜10月初めの間で年によって異なる)に売り、ヨーム・キップール(新年から10日後の贖罪の日)に買え”だろう。ユダヤ系の投資家は、新年を控えてポートフォリオを整理し10日後に買い戻したという。特にダウでは1907年から2008年にかけ、この兆候が見られた。

今年のロシュ・ハシャナは9月20日で、この日に米連邦公開市場委員会(FOMC)は金融政策を決定する。資産圧縮を発表すると見られるが、市場に何らかの影響を与えてもおかしくない。

そのFRBにとって、米8月雇用統計は賃金伸び悩みを再確認する悩ましい結果となった。FF先物市場での12月利上げ織り込み度は、33%に過ぎない。

さらに今年は債務上限引き上げや予算協議を控える。仮に合意にたどり着けなければ、債務不履行や10月からの政府機関の閉鎖を引き起こす。今年の9月は、またしても忘れられない月となりそうだ。

——9月を迎え、バロンズ誌は名物コラムのアップ・アンド・ダウン・ウォールストリートだけでなくカバーまで慎重な見方を示してきました。9月に数多くのイベントが控える上、北朝鮮が6回目の核実験を実施するなど世界情勢は緊迫化するだけに、今月は米株高を見込みづらいとの判断なのでしょう。ちなみに、ハリケーン”ハービー”の復興支援を急ぐべく債務上限引き上げや予算協議で妥結が図られるとの見方から、ゴールドマン・サックスは政府機関が閉鎖する確立を50%から35%へ引き下げました。仮に波乱なく今月を乗り越えれば、記憶に残らない9月になる可能性を残します。

(カバー写真:Canadian Pacific/Flickr)

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