Decline In October Durable Goods Orders Won’t Impact Much On Q4 Growth.
米10月耐久財受注、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値をおさらいしていきます。
米10月耐久財受注は前月比1.2％減となり、市場予想の0.3％増を下回った。前月の2.2％増（2.0％増から上方修正）より弱く、3ヵ月ぶりに減少。過去6ヵ月間で2回目のマイナスとなった。ハリケーン“ハービー”や“イルマ”で大幅増加した9月の反動と考えられる。
内訳をみると、輸送用機器を除く耐久財は0.4％増と、市場予想の0.5％増を下回った。前月の1.1％増（0.7％増から上方修正）を含め、4ヵ月連続で増加。輸送用機器が4.3％減と前月の4.4％増（修正値）をほぼ打ち消した。民間航空機が18.6％減と前月の33.9％増（修正値）を下回り、3ヵ月ぶりに減少した。自動車は1.7％増と、前月の0.1％減（修正値）を上回った。防衛財は9.6％減と、前月の0.4％減と合わせ2ヵ月連続で減少した。企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財は0.5％減と、市場予想の0.5％増に反する結果となった。前月の2.1％増（1.7％増から上方修正）を下回り、4ヵ月ぶりに減少している。
耐久財出荷は前月比0.1％増となり、前月の1.0％増（修正値）を超えた。国内総生産（GDP）に反映されるコア資本財の出荷は0.4％増と、市場予想の0.3％増を上回った。前月の1.2％増（0.9％増から上方修正）に及ばなかったものの、9ヵ月連続で増加した。
前年比では、輸送を除いた耐久財受注をはじめコア資本財の受注と出荷とも順調。
（作成：My Big Apple NY）
耐久財在庫は0.1％増となり、前月の0.6％増を含め10ヵ月連続で増加した。在庫の伸びが出荷と変わらず、在庫相当は3ヵ月連続で1.68ヵ月だった。
――コア資本財の受注が予想外に下振れたものの、在庫は引き続き堅調でした。機器投資が前期よりやや弱い内容だったとしても、在庫投資が支える見通しです。NY地区連銀は、20日週の経済指標を受け米10～12月期実質GDP成長率予測値を従来の3.8％増から3.7％増へ引き下げる程度にとどめました。アトランタ地区連銀も22日までの経済指標を受け、成長率予測値を3.4％増で据え置いており、トランプ政権発足の年は四半期ベースでまさかの3期連続での3％成長の可能性が高まっています。
▽米11月ミシガン大消費者信頼感・確報値は上方修正も、前月以下
米11 月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は98.5と、速報値の97.8から上方修正され市場予想の98も上回った。ただ、2004年1月以来の高水準だった前月の100.7に届かず。米株高が続き下院で税制改革法案が通過したものの、上院の動向に不透明感が残っているようだ。内訳をみると、現況指数が113.5と速報値の113.6から小幅に下方修正され、2000年10月以来の高水準だった前月の116.5以下にとどまった。見通し指数は前月に2004年12月以来の水準へ上振れし90.5をつけたが、今回は88.9と速報値の87.6を上回る程度だった。
原油先物が50ドル乗せを維持し一時2015年以来の高値をつけるなか、1年先インフレ見通しは2016年11月以来の水準へ低下した前月の2.4％から2.5％へ上昇、ただ速報値の2.6％には届いていない。5～10年先インフレ見通しは前月まで4ヵ月連続で2.5％を経て、2.4％へ低下した。11月FOMC議事要旨で指摘されたように、インフレ見通しは長期を中心にさえない状況だ。
ミシガン大学消費者信頼感、インフレ見通しの低迷が継続。
（作成：My Big Apple NY）
ミシガン大学の主席エコノミスト、リチャード・カーティン氏は今回の結果を受け、メディアが米国経済に対し循環的に頭打ち、経済回復サイクルの長期化、経済見通しの不透明性を伝える一方、消費者は低インフレを背景に所得と職に明るい見通しを持つとの考えを示す。今後は「（税制改革法案の成立に伴う）税制、FRBの新体制といった大きな変化が慎重姿勢を保証するものの、足元で消費者見通しに明白な影響を与えていない」との認識も表明。2018年の個人消費予想は速報値時点での2.8％増から「2.7％増」へ下方修正したが、引き続き10月に示した2017年予想の2.6％増を超える伸びを見込む。
（カバー写真：Gene Kogan/ Flickr）
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